02_わたしが占い師になった理由 その２

　今まで生きてきてわたしは、幾人かの死と関わりました。
　そのこと自体は特別でもなんでもないことです。人は命ある限り必ず亡くなります。長く生きていればそれだけ多くの人の死と関わることもあるでしょう。
　わたしが、自分が関わった人の死にこだわるのは、その亡くなり方が必ずしも幸せな往生ではなかった、という理由にあります。

　わたしは死を忌まわしいものとは思っていません。
　少し思い切った言い方をすれば、死ぬのが惜しくありません。
　生まれる前にいたところに戻るだけなのだ、という生々しいイメージが、わたしの中にはまるで実感を伴うように息づいていて、死ぬことがそんなに悪いこととはどうしても思えないのです。

　しかしわたしは幾人かの、縁あった方々の死と関わってきて、消化することが出来ないような戸惑い、悲しみ、痛みも経験しました。生きることと死ぬことは表裏一体であって、どちらか一方だけで考えることは出来ないのだ、という思いを強く持つようになりました。
そして今、こんな風に考えています。

　

　死ぬことは悪いことではない。悪く死ぬことが問題なのだ。
　生きることが善なのではない。良く生きることが必要なのだ。
　人は、しあわせに生きなければならない。

　わたしは、○○しなければならない、というような考え方は嫌いです。しかしこの「人はしあわせに生きなければならない」ということだけは、こうあるべき、という意味合いを持って、正しいことだと思っています。

　ですからわたしは、自分の持っているささやかな知恵とインスピレーションをもって「しあわせに生きる」ということにこだわりたいと思います。
　占いは「しあわせに生きる」ための知恵です。
　それは古代から現在、未来に至るまで、あらゆる世界の人々にとって真実です。