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しあわせの青い鳥は、 “今の” あなたのそばにいます




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大阪の占い師 サワツ純子 のタロットブログです。たまに理屈っぽい日常のああだこうだも入っています。
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 こんにちは、ヒタチです。
 今回は久しぶりにウエイト版タロットの色の記事に取り組んでみたいと思います。勘を取り戻すのに時間がかかりそうで、ほんのさわり程度になるかも知れませんが、お付き合いいただければ幸いです。

 さて前回の終わりで書きましたように、今回は『背景が黒いカードの灰色部分』について考えたいと思います。
 灰色部分の解釈をいつものように下記に定義しておきます。

・世俗的、物質的な要素を表わす
・第2のセフィラ「コクマー(知恵)」と対応している(ウィキペディア・生命の樹の記事より)
・相反する2つのものの中間、および混成
・不安、見通しの悪さ、不明瞭さ
・灰色に黒の点々は石造りであることを表わしている。
 *石は固く永続性があり「神の力の顕現」の意味もある*

 カードの画像データは、U.S.GAMES SYSTEMS,INC から出版されているライダー版ウエイトタロットと、Merrimack Publishing Corp. から出版されたウエイト版タロットです。
 『世界シンボル事典』を参考図書として用います。参考箇所には文頭と文末に『*』をつけてあります。

 分類やコメントはあくまでもわたしの主観に基づいています。ご了承の上、お読み下さい。

*-*-*-*-*-*-*

2・大アルカナの灰色部分(背景が灰色でないもの)
 (3)背景が黒いもの
ライダー版画像


 【15・悪魔】悪魔の翼、角、たいまつの柄、悪魔がとまっている台のようなものの輪郭、鎖と鎖を繋いでいる留め具、裸の男女が立っている地面の一部が灰色。
 【16・塔】塔の壁のほとんど、左下部にある雲、火災による煙の下部分、赤いマントの人物の靴とストッキングが灰色。

*-*-*-*-*-*-*

 灰色の部分をピックアップして順に考えてみます。

 灰色の雲は、前回までの『青色の空に灰色の雲が描かれているもの』にも出て来ました。雲が描かれているのは【16・塔】です。塔の左下部にあります。
 雲は『覆い隠す』ものでもありました。ここでは灰色の雲は何を覆い隠しているのでしょうか。雲は塔の下部にあります。地上の人たちからは塔のてっぺんが雲に隠れて見えないかも知れません。今、塔は神のいかづちに打たれ火を吹いていますが、地上からはその様子も一部の人にしか見えていないかも知れません。塔の左下にいる人たちには見えにくいでしょう。右下にいる人たちは雲に邪魔されていないので良く見えるかも知れませんね。

 覆い隠す雲の灰色が「コクマー(知恵)」の反映だとしたら、あまりに高きを見ないでいることも知恵の一つだと言えるかも知れません。塔の上に住んでいた人たちはその知恵をいつも「下に見ていた」ことになります。

 相反する2つのものの中間・混成としてはどうでしょう。この雲は地上よりは上、塔のてっぺんや天上よりは下にあります。天と地、高きものと低きもの、知る者と知らぬ者の間にあって、お互いを隠す…などと考えられそうです。
 世俗的・物質的なものを表すという点でも同様に見れそうです。雲は地上からは天上を覆い隠し、塔の上からは地上の人たちを覆い隠します。お互いを見えなくしているものは、それぞれの生活に密着した世俗的で物質的な価値観だと言えるかも知れません。

 見通しの悪さ、不明瞭さの点ではどうでしょう。今、灰色の雲に一番近づいているのは赤いマントの人物です。この人は今、まっさかさまに地上へと落ちて行く途上にあります。これからどうなるのか、なぜこうなったのか、この人には分からないのではないでしょうか。良く見ると、この人の靴とストッキングも灰色です。知恵に満ちた人だったのでしょうが、高い塔の、地に足をつけない暮らしは、どことなく不安定で不明瞭な要素があったに違いありません。

*-*-*-*-*-*-*

 塔からもくもくと出ている煙は上の面がほの白く、下の面が比較的灰色になっています。この塔は神からのいかづちによって生じたもの。ですから邪悪な忌まわしいものではありません。しかし人間のおごりである塔(物質・世俗的活動の生産物)が焼けているのですから、少し濁りが入って灰色がかっているのではないでしょうか。

 天からいかづちが下され、おごりが打ち砕かれたしるしとして地上から煙を眺めた時、それは人の心を謙虚にさせ、神を恐れさせる知恵(コクマー)となるでしょう。煙の下面が灰色が濃いのと対応しているような気がします。
 その煙は災いがあったしるしでもあり、神によって間違いが正された祝福でもあるでしょう。2つの要素の混成という意味も読み取れそうです。
 しかしこのことは人間の心を不安にさせ、混乱を呼び起こすかも知れません。神は人に災いをもたらす存在なのか、それとも祝福をもたらすものなのか、人は分からなくなってしまう(不明瞭)かも知れません。

*-*-*-*-*-*-*

 塔の壁はほとんど全部が灰色です。ただし下部には少し青色が混じっており、切り立った崖のようになっています。
 思えばこの塔の下部分あたりを作っている時までは、人は自然な向上心と純粋な精神性もいくらかは持っていたのでしょう。
 それがやがて『もっと上へ、神に近づけ』と、人としての分限を忘れてしまったのでしょう。気高い精神性や向上心からでなく、神に対抗し、人間の優秀さを証明する(物質的に、世俗的に)ために塔を作ってしまったのではないでしょうか。

 この塔は何と何の中間であり、混成と言えるでしょう。雲の解釈の時と同じように、天と地、高きものと低きもの、の混成・中間としておくのが妥当かも知れません。
 そして天にも届かんばかりの高い塔を作るのも住まうのも、実は不安定・不満足が根底にあるのかも知れません。人としての自然な暮らしにすっかり満足していれば、こんな高い塔を作ることもなかったでしょう。と、すればこの塔は、人間の不安や未来への見通しの悪さを如実に表した創造物であったと言えそうです。

 このカードの塔は『バベルの塔』がモデルだという説があります。『世界シンボル事典』にはこのような記述があります。
 旧約聖書にある「バベルの塔の建設」の物語は、人間の不遜、すなわち地上の手段を用いて天に到達しようとする誇大妄想的な思いあがりを象徴している。
 この引用からは、この塔の物質性がうかがわれます。
また、
 旧約聖書に記されている「バベル」の名は、語根「バラル bll」(=混乱)と関連をもつものと解釈され、そこから人類がさまざまな言語をもつようになった由来にまつわる伝説と結びつけられるようになった。
 この引用からは、混乱による不安や見通しの不明瞭さという要素を連想させます。

 ところで、このような高い建造物を作るには、洗練され積み上げられた多大な知恵(コクマー)が必要です。『世界シンボル事典』の同項には、*フリーメイソンのシンボルとしては、バベルの塔は建築術が世界中に広まるきっかけになった点が強調されている*との記述があります。そして*傲慢に囚われずにすむように思慮分別ある正しい心をもってそれと相対しなければならない*と、道徳的意味をこの伝説から学ぶのだそうです。

*-*-*-*-*-*-*

 【15・悪魔】を見てみましょう。
 悪魔の翼と角が同じような灰色です。翼はまるでこうもりのそれのようです。こうもりはたいてい灰色をしていますね。こうもりはほ乳類と鳥類の中間・あいのこ、のような姿をしています。悪魔の像にこうもりの翼があしらわれているのは、こうもりと同じように悪魔が「光を嫌う」性質を持つからだそうです。このカードでも背景は真っ暗…光がありませんね。

 ところで、悪魔の絵で灰色なのは翼と角だけ、肌は浅黒い肌色です。赤色、オレンジ色とも表現できそうです。
 悪魔の翼にはどんな意味があるのでしょうか。再び『世界シンボル事典』を引用してみます。
 キリスト教圏においては、翼は天使のシンボルだが、それ以外にも旧世界(アジア・アフリカ・ヨーロッパ)では早くから守護神、悪霊、妖精、空気の精などのしるしとされてきた。これは、鳥の姿を一部取り入れることによって、天の領域に属する存在であることをあらわそうとしたもので、人間界からの超越を象徴する。
 悪魔の翼は、悪魔が人間界から超越した存在であることを表しているようです。それでは角はどうでしょうか。*角は一般的に力と攻撃性のシンボルだということです*が、悪魔の角は「雄ヤギ」のものです。雄ヤギの項目を引用してみます。
雄ヤギは旺盛な精力を持つ動物とみなされ(中略)「臭くて、不潔で、快楽を追い求める」動物となり、最後の審判では地獄へ落とされることとなった。(中略)このようなイメージは(中略)人間のありとあらゆる罪と汚れを一身に背負わされて荒野に追いやられる「贖罪のヤギ(スケープゴート)」についての聖書の記述に端を発しているのかも知れない。F,ウンタキルヒャーが『動物・信仰・迷信』(1986)の中で紹介している中世の動物寓話集によれば、雄ヤギは「淫らで、攻撃的な動物で、いつも交尾したがっている。そのような性質のゆえに、雄ヤギは非常に熱い動物で、その血は、火でも鉄でも壊すことのできないダイヤモンドをも溶かすほどである」という。
 なるほど悪魔の角は、悪魔が雄ヤギのような力と攻撃力を備えていることの象徴だと言えそうです。

 悪魔の角に象徴される力と攻撃力、そして人間界を超越する力が、この悪魔がもたらす知恵(コクマー)なのでしょうか。真実なもの、美しいものとは逆の力に手をつけること、タブーを冒すこと、神の眼を逃れ、闇に生きることがこのカードの知恵なのだと言って良いのでしょうか。

*-*-*-*-*-*-*

 不安や見通しの不明瞭さについては説明するまでもないことだと思います。しかしこの灰色の翼や角は、いったい何と何の中間であり、混成なのでしょうか。
 それについてはわたしははっきりとした答えを見いだせていません。悪魔の持つ人間界を超越した力が何と何の中間で混成なのか。
 カードの絵から直接的にその答えを探すのは、わたしにはちょっと難しいです。ひとつ、気になるのが、悪魔の額にある逆さになった五芒星が真っ白で描かれていることです。

 『世界シンボル事典』の「ペンタグラム(五芒星形)」の項によれば、*ペンタグラムはピュタゴラスとその弟子たちによって肉体と精神の調和を表す聖なるシンボルとされています。一般的に魔除けの意味を持ち、聖なる数字である5のシンボルでもあります。魔術では悪魔を封じ込める手段として使われ、黒魔術では先端が下向きのペンタグラムを使います。黒魔術のペンタグラムの変種として中央にサタンを暗示する雄ヤギの頭を描いたものがある*そうです。

 中央にサタンを暗示する雄ヤギの頭を描いたペンタグラム…これはこのカードの絵、そのものですね!【15・悪魔】のカードは黒魔術をも表しているのでしょうか。この逆さ五芒星が白で描かれているのは、人間の欲望を叶えること自体は必ずしも邪悪なことではないという意味では…?

 とすると、悪魔の翼と角が灰色なのは、善と悪の中間、正当なことと罪の中間、またはそれらの混成と言ってもよいのでは、と思います。この考えは元々わたしのお気に入りの視点であり、カードの絵から直接導いたものではありません。が、黒魔術の道具であるさかさの五芒星がわざわざ真っ白で描かれていること、灰色がそもそも白と黒の中間色であることを考えると、それほど飛躍した発想ではないように思います。

 裸の男女が繋がれている鎖、鎖の留め具、悪魔がとまっている台のようなものの輪郭、についても同様に解釈出来るのではないかと思います。鎖については、人間の身体に触れているところが黒く、身体から離れている部分が白いのが気になりますが…

 たいまつについても『世界シンボル事典』に面白い記述がありました。
 *たいまつは単なる光源以上の意味をもち儀式の際に重要な役割を果たす。火の消えたたいまつは死のシンボルである。たいまつの大きな炎はその明るさと活発な動きのゆえに覚醒を呼びかけるシンボルともなる。たいまつ「Fackeln」から派生したドイツ語で「ためらう」の意で使われる「fackeln」はたいまつの炎が絶えずゆらゆらしているが由来である、などなど…*

 ここから発想すると、悪魔の持っているたいまつは「人間の生命力」を鼓舞するかのようであり、神の言葉に忠実に自我を眠らせている人々の覚醒を促しているようでもあり、ゆらゆらと揺れる炎で人間の心を不安定にかき乱しているようでもあります。その炎を宿らせているたいまつが灰色なのは、生命が物質的なものを燃やして生きていること、知恵を使っていること、生きることは死に近づいていること(生と死の中間)、そして生きていることは不安で先の見通しなど不明瞭なのだ、ということを示しているのかも知れません。

*-*-*-*-*-*-*

 またもや日付が変わってしまい、月曜日になってしまいました。
 時間が遅くなったので、このまま更新しようと思います。
 推敲ができていないので、読みにくいかも知れません (^_^;; ご了承ください。

 それでは今後とも当ブログをよろしくお願いします。
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ヒタチさん?
スプレッドのことで考えています。
質問に合ったスプレッドは何を使うべきか。
経験を積むなかでそれも解消するんでしょうが、いや、最終的には用いるスプレッドが問題じゃないのかな?
そんななかで、最近「生命の樹」を知りました。今までのものとは違い非常に深いものを感じます。
ヒタチさんは、このスプレッドのことをどう考えますか?また、どのように扱うべきなんでしょうか?
グリーン 2010/10/23(Sat)00:22:00 編集
グリーンさん、こんにちは。
 生命の樹スプレッド、わたくし恥ずかしながら本格的に試したことがありません。いや、あるのかも知れませんが、恐らくその時にはピンと来ないでそのままになったのではと思います。

 改めてウェブで調べてみますと、取り組み甲斐のあるスプレッドのようですね。とても興味が湧いてきました。

 わたしは普段、仕事では決められた時間でぱぱっと答えを出すことばかりやっていますので、生命の樹スプレッドのような奥の深いスプレッドをとことん追究する機会がなかなか無いのが現状であったりします。
 しかし時間をかけて是非取り組んでみたい展開法ですね。

 コメント欄では長くなりますので、今日はブログ記事の方でお返事したいと思います。(^_^)少しお待ち下さい。
ヒタチ 2010/10/23(Sat)22:41:19 編集
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『占いと癒しのお店*アテナ』占い師のサワツ純子です。

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