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大阪の占い師 サワツ純子 のタロットブログです。たまに理屈っぽい日常のああだこうだも入っています。
長文OK・お暇な方のみお読み下さいませ。(・∀・)サワツ純子
※各ブログ記事へのインデックスを作ってみました。良ければご利用ください※
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今回は色の考察【灰色】の第29回、小アルカナ【金貨のスート】の灰色部分(3)地面or足元が灰色のもの について検討します。
灰色部分の解釈を暫定的に以下のように定義しておきます。
カードの画像データは、U.S.GAMES SYSTEMS,INC から出版されているライダー版ウエイトタロットです。
『世界シンボル事典』を参考図書として用います。参考箇所には文頭と文末に『*』をつけてあります。
分類やコメントはあくまでもわたしの主観に基づいています。ご了承の上、お読み下さい。
*-*-*-*-*-*-*
(3)地面or足元が灰色のもの…
【金貨2】【金貨キング】【金貨クイーン】
先にとり上げた【金貨2】はこちらの分類がメインと言えます。【金貨クイーン】の足元は灰色ではありませんが、腰掛けている玉座が灰色なのでこちらに分類します。
*-*-*-*-*-*-*
【金貨2】では、地面がシンプルな灰色です。
お金が生活の基盤にあり、世俗的な価値観を基準にしているようです。背景は青で『もっと良くなろう』という精神的な向上心があります。
二つの金貨を、ジャグラーのように操作しています。ただじっと持っているのではありません。この不安定さが足元の不安=地面の灰色にも通じている気がします。
反面、平らで固そうなこの地面は、立って活動するのに安全な感じがします。お金や一般的な価値観を基準にして生きるのは、動的な現状をうまくやりぬく知恵(=コクマー)と言えるかもしれません。
*-*-*-*-*-*-*
【金貨キング】では、足元が石畳になっているようです。王の左足は牡牛の置物の上に乗せられています。黒い玉座に灰色の牡牛の飾りがあります。
足元は石畳のようですが【金貨3】や【金貨5】に見られたような『石造り』ではありません。
ただ…王の背後の分厚い城壁には灰色に小さな点々が描かれ、『石造り』であることを示しているようです。背景奥の建物(城の一部なのでしょうか?)の壁も灰色ですが、『石造り』かどうか不明です。
***
足元地面の石畳は『石造り』ではないけれど、やはり石には違いありません。いつものように『世界シンボル事典』で『石』項目を再度調べてみました。そのまま引用するとかなり長いので、関係ありそうな部分をかいつまんで書いてみます。
まず文頭で、*石は永続と普遍という特徴をもつことから、多くの文化圏で神の力の象徴とみなされる。* とあります。この一文からわたしは『石造り』の部分を“神の力の顕現”の意味があると定義したのでした。
つづけて読んでいくとこのような記述があります。
*人の手を加えず自然に形づくられた石塊は非常に尊重され、「出エジプト記」にも「もしわたしのために石の祭壇を造るなら、切石で築いてはならない。のみを当てると、石が汚されるからである」*、
また
*ユダヤ教徒の中でも教理に忠実な者たちは、エルサレムの絢爛たる神殿を好ましく思っていなかった*
*フリーメイソンのシンボル表現では、「未加工の粗石」が徒弟の位階をあらわすが、これは徒弟が、人間性の完成をあらわす壮大な「神殿」建築にはめこまれる「切り石」になることを目指しているからである。*
以上の記述を読むと、足元の不定形な石畳は、この王が『社会人としてこなれた人格ではない』こと、『原始的な宗教観を持つ人物』であることを象徴している気がします。
***
さらに、牡牛の置物や飾りに注目し、『雄牛』項目を調べてみました。こちらも量がありますのでかいつまんでの引用です。
*雄牛は、多くの古代文化に見られる力強いシンボルである。(中略)このような先史時代の野牛は、おそらく強い生命力や男性的な力を体現する存在であったと思われる…*
*宗教的な意味でも雄牛がきわめて重要な役割を果たしてきたことは(中略)これはとりわけ雄牛の生殖能力と深い関連をもつ。*
*雄牛を倒したり生贄にしたりするような象徴性に富む儀式も無数に存在していた。(中略)これは鈍重な動物性(雄牛によって象徴される)の克服と、人間の優位性を示そうとするものであった。このような儀式はまた、牛を飼いならして役立てようとする人間の努力とも結びついていた。* (→王が牡牛の置物に足を乗せているのに注目)
*去勢牛が主として使役に用いられるのに対し、去勢していない雄牛は聖なる存在とされ、自然の生殖力の象徴として崇められた。*
*占星術では、雄牛は黄道十二宮の2番目の宮(金牛宮)のシンボルである。金牛宮は「土」の宮で、この宮のもとに生まれた者は、不器用、土地との結びつきが強い、粘り強い、生命力に富むなどの性質をもつとされる。*
以上のことからもやはり【金貨キング】は、人間的に不器用で、どちらかというと原初的な力との親和性が高いこと、そして強い生殖能力、強い生命力を持っていると言えるでしょう。
『成形されていない石』と『去勢牛ではない雄牛』のシンボルから、【金貨】の王のこのような性質は「天与のもの」であり、原初的で神聖なものだと考えられそうです。
彼が築いた城の分厚い壁が『石造り』なのは、この城が、「王自身の人間的な力の産物ではなく」、『神が彼に与えた、原初的な本能の力が成したもの』だからかも知れません。
***
【金貨キング】はお金や物質的なものを基盤にし、世俗的な価値基準に従った成功を目指しています。
その生き方は彼の地位を不動にするための知恵(=コクマー)と言えるでしょう。
不安や見通しの不明瞭さについては…もちろん、こんなに王が不動を願い物質的なもので身を固めるのは、「いつこの座を失うか」という不安があるからなのでしょう。
ただここまで見てきて、どうも『石』と結びついた灰色では、不安や見通しの不明瞭さの意味合いが比較的弱い気がしています。『石』というだけで『永続と不変』の意味が加わるからです。
*-*-*-*-*-*-*
【金貨クイーン】では玉座が灰色です。【聖杯クイーン】のとよく似た、赤色が混じった灰色で描かれています。
以前の記事で、この札に描かれているモチーフに言及しています。玉座の肘掛には山羊、背もたれには枇杷の飾り…枇杷は多産の象徴です。灰色ではないですが、カードの隅に描かれているウサギも生殖能力と多産の象徴でした。
先ほどに習い『世界シンボル事典』で『山羊』を調べようとしましたら、雄ヤギ・雌ヤギ・磨羯宮(やぎ宮)の3つに分かれていました。
雄ヤギ以外の項目から引用してみます。
『雌ヤギ』*雄ヤギがしばしば好色と精力を体現し、ネガティブな存在とみなされるのに対して、雌ヤギは節度をわきまえた動物とされ、またギリシア・ローマ神話では「養い育てる者」として重んじられている。また雌ヤギの角は、豊かな自然のシンボルである。(→豊穣の角)*
『豊穣の角』*花の女神フロラや幸運の女神フォルトゥナの持ち物<アトリビュート>であり、人間が労せずして得ることのできる無限の贈り物のシンボルでもある。(中略)ギリシア神話によれば、この角は元来、雌ヤギの姿をしたニンフのアマルテイアのものであった。アマルテイアはクレタ島の洞窟の中で幼いゼウスに乳を飲ませ、生きてゆくのに必要な物すべてを与えたという。*
『磨羯宮』*黄道十二宮の磨羯宮、および星座の山羊座は、ドイツ語ではSteinbockの名で呼ばれるが、これは本来は、山岳地帯に住むヤギの1種(アイベックス)を指す語である。この動物は、三日月形に湾曲した大きな角をもつため、しばしば月や月の神と結びつけられ(中略)ていた。
本来磨羯宮は、ポジティブな意味を持つ宮とみなされていた。しかしキリスト教時代になると、この宮を象徴する動物である雄ヤギが悪魔を連想させることから、占星術においても(裕福、自制、集中力、不屈の力などの特徴が与えられる一方で)錯誤、欺瞞、吝嗇、狭量などの否定的な概念と結び付けられるようになった。*
***
以上の引用を見ると【金貨クイーン】は、節度をわきまえた大人しい性質を身上とし、労せずとも豊かな自然の恵みを受け取ることが出来る立場に身を置いているようです。またネガティブな条件下では、錯誤、欺瞞、吝嗇(ケチ)狭量な面も持ち合わせているのかも知れません。
彼女は上記のような価値観に「守られている」と言って良いでしょう。苦労せずとも物質的なものに恵まれる身分に座り、一般的な価値観から逸脱することなく節度をわきまえ、多くを産み、多くを養うことに勤しんでいるようです。
そんな生き方が彼女の知恵(=コクマー)でもあるのでしょう。そうしている限り彼女は安全に暮らしていけます。
こんなに恵まれた環境にいても彼女の立場は不確かなのでしょうか?
彼女は『労せずにて』この立場を与えられています。もし突然、何らかの理由でその椅子を追われれば、たちまち途方に暮れてしまうでしょう。彼女がこの恵まれた椅子に座って成しているのは、大人しく人の言うことを聞いて、子供を養ったり生活を営んでいるだけです。彼女は自力で立っているのではなく、誰かの力に依存しています。
自分で自分の人生の方向を定めることも出来ないので見通しは不明瞭にならざるを得ないでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
以上の3枚は、3枚とも「足元の灰色」のあり方が違いました。
【金貨2】はシンプルで平らな灰色の地面
【金貨キング】は成形されていない石畳と牡牛の置物
【金貨クイーン】は雌ヤギと枇杷の飾りの玉座 でした。
どんな灰色を人生と生活の基盤としているかを考えると、すごく特徴がよく分かる比較になっている気がします。
【金貨2】では、ごくごく世俗的な生活基盤があるようでしたし、【金貨キング】では、天与の本能と生命力が、世俗的成功を可能にしているようでした。【金貨クイーン】では労せずして多くのものを与えられる身分に座り、で日々黙々と生命を養っていました。
コートカードの2枚は人格の乏しさに特徴があると思います。人格の乏しさが、逆に多くの恵みを手にする結果になっているのが面白いなぁと思いました。
次回は、灰色がほとんどない 【金貨9】【金貨ナイト】【金貨ペイジ】をチェックしてみたいと思います。
今後とも当ブログをよろしくお願いします。
灰色部分の解釈を暫定的に以下のように定義しておきます。
・世俗的、物質的な要素を表わす
・第2のセフィラ「コクマー(知恵)」と対応している(ウィキペディア・生命の樹の記事より)
・相反する2つのものの中間、および混成
・不安、見通しの悪さ、不明瞭さ
・灰色に黒の点々は石造りであることを表わしている。
*石は固く永続性があり「神の力の顕現」の意味もある*
・第2のセフィラ「コクマー(知恵)」と対応している(ウィキペディア・生命の樹の記事より)
・相反する2つのものの中間、および混成
・不安、見通しの悪さ、不明瞭さ
・灰色に黒の点々は石造りであることを表わしている。
*石は固く永続性があり「神の力の顕現」の意味もある*
カードの画像データは、U.S.GAMES SYSTEMS,INC から出版されているライダー版ウエイトタロットです。
『世界シンボル事典』を参考図書として用います。参考箇所には文頭と文末に『*』をつけてあります。
分類やコメントはあくまでもわたしの主観に基づいています。ご了承の上、お読み下さい。
*-*-*-*-*-*-*
(3)地面or足元が灰色のもの…
【金貨2】【金貨キング】【金貨クイーン】
先にとり上げた【金貨2】はこちらの分類がメインと言えます。【金貨クイーン】の足元は灰色ではありませんが、腰掛けている玉座が灰色なのでこちらに分類します。
*-*-*-*-*-*-*
【金貨2】では、地面がシンプルな灰色です。
お金が生活の基盤にあり、世俗的な価値観を基準にしているようです。背景は青で『もっと良くなろう』という精神的な向上心があります。
二つの金貨を、ジャグラーのように操作しています。ただじっと持っているのではありません。この不安定さが足元の不安=地面の灰色にも通じている気がします。
反面、平らで固そうなこの地面は、立って活動するのに安全な感じがします。お金や一般的な価値観を基準にして生きるのは、動的な現状をうまくやりぬく知恵(=コクマー)と言えるかもしれません。
*-*-*-*-*-*-*
【金貨キング】では、足元が石畳になっているようです。王の左足は牡牛の置物の上に乗せられています。黒い玉座に灰色の牡牛の飾りがあります。
足元は石畳のようですが【金貨3】や【金貨5】に見られたような『石造り』ではありません。
ただ…王の背後の分厚い城壁には灰色に小さな点々が描かれ、『石造り』であることを示しているようです。背景奥の建物(城の一部なのでしょうか?)の壁も灰色ですが、『石造り』かどうか不明です。
***
足元地面の石畳は『石造り』ではないけれど、やはり石には違いありません。いつものように『世界シンボル事典』で『石』項目を再度調べてみました。そのまま引用するとかなり長いので、関係ありそうな部分をかいつまんで書いてみます。
まず文頭で、*石は永続と普遍という特徴をもつことから、多くの文化圏で神の力の象徴とみなされる。* とあります。この一文からわたしは『石造り』の部分を“神の力の顕現”の意味があると定義したのでした。
つづけて読んでいくとこのような記述があります。
*人の手を加えず自然に形づくられた石塊は非常に尊重され、「出エジプト記」にも「もしわたしのために石の祭壇を造るなら、切石で築いてはならない。のみを当てると、石が汚されるからである」*、
また
*ユダヤ教徒の中でも教理に忠実な者たちは、エルサレムの絢爛たる神殿を好ましく思っていなかった*
*フリーメイソンのシンボル表現では、「未加工の粗石」が徒弟の位階をあらわすが、これは徒弟が、人間性の完成をあらわす壮大な「神殿」建築にはめこまれる「切り石」になることを目指しているからである。*
以上の記述を読むと、足元の不定形な石畳は、この王が『社会人としてこなれた人格ではない』こと、『原始的な宗教観を持つ人物』であることを象徴している気がします。
***
さらに、牡牛の置物や飾りに注目し、『雄牛』項目を調べてみました。こちらも量がありますのでかいつまんでの引用です。
*雄牛は、多くの古代文化に見られる力強いシンボルである。(中略)このような先史時代の野牛は、おそらく強い生命力や男性的な力を体現する存在であったと思われる…*
*宗教的な意味でも雄牛がきわめて重要な役割を果たしてきたことは(中略)これはとりわけ雄牛の生殖能力と深い関連をもつ。*
*雄牛を倒したり生贄にしたりするような象徴性に富む儀式も無数に存在していた。(中略)これは鈍重な動物性(雄牛によって象徴される)の克服と、人間の優位性を示そうとするものであった。このような儀式はまた、牛を飼いならして役立てようとする人間の努力とも結びついていた。* (→王が牡牛の置物に足を乗せているのに注目)
*去勢牛が主として使役に用いられるのに対し、去勢していない雄牛は聖なる存在とされ、自然の生殖力の象徴として崇められた。*
*占星術では、雄牛は黄道十二宮の2番目の宮(金牛宮)のシンボルである。金牛宮は「土」の宮で、この宮のもとに生まれた者は、不器用、土地との結びつきが強い、粘り強い、生命力に富むなどの性質をもつとされる。*
以上のことからもやはり【金貨キング】は、人間的に不器用で、どちらかというと原初的な力との親和性が高いこと、そして強い生殖能力、強い生命力を持っていると言えるでしょう。
『成形されていない石』と『去勢牛ではない雄牛』のシンボルから、【金貨】の王のこのような性質は「天与のもの」であり、原初的で神聖なものだと考えられそうです。
彼が築いた城の分厚い壁が『石造り』なのは、この城が、「王自身の人間的な力の産物ではなく」、『神が彼に与えた、原初的な本能の力が成したもの』だからかも知れません。
***
【金貨キング】はお金や物質的なものを基盤にし、世俗的な価値基準に従った成功を目指しています。
その生き方は彼の地位を不動にするための知恵(=コクマー)と言えるでしょう。
不安や見通しの不明瞭さについては…もちろん、こんなに王が不動を願い物質的なもので身を固めるのは、「いつこの座を失うか」という不安があるからなのでしょう。
ただここまで見てきて、どうも『石』と結びついた灰色では、不安や見通しの不明瞭さの意味合いが比較的弱い気がしています。『石』というだけで『永続と不変』の意味が加わるからです。
*-*-*-*-*-*-*
【金貨クイーン】では玉座が灰色です。【聖杯クイーン】のとよく似た、赤色が混じった灰色で描かれています。
以前の記事で、この札に描かれているモチーフに言及しています。玉座の肘掛には山羊、背もたれには枇杷の飾り…枇杷は多産の象徴です。灰色ではないですが、カードの隅に描かれているウサギも生殖能力と多産の象徴でした。
先ほどに習い『世界シンボル事典』で『山羊』を調べようとしましたら、雄ヤギ・雌ヤギ・磨羯宮(やぎ宮)の3つに分かれていました。
雄ヤギ以外の項目から引用してみます。
『雌ヤギ』*雄ヤギがしばしば好色と精力を体現し、ネガティブな存在とみなされるのに対して、雌ヤギは節度をわきまえた動物とされ、またギリシア・ローマ神話では「養い育てる者」として重んじられている。また雌ヤギの角は、豊かな自然のシンボルである。(→豊穣の角)*
『豊穣の角』*花の女神フロラや幸運の女神フォルトゥナの持ち物<アトリビュート>であり、人間が労せずして得ることのできる無限の贈り物のシンボルでもある。(中略)ギリシア神話によれば、この角は元来、雌ヤギの姿をしたニンフのアマルテイアのものであった。アマルテイアはクレタ島の洞窟の中で幼いゼウスに乳を飲ませ、生きてゆくのに必要な物すべてを与えたという。*
『磨羯宮』*黄道十二宮の磨羯宮、および星座の山羊座は、ドイツ語ではSteinbockの名で呼ばれるが、これは本来は、山岳地帯に住むヤギの1種(アイベックス)を指す語である。この動物は、三日月形に湾曲した大きな角をもつため、しばしば月や月の神と結びつけられ(中略)ていた。
本来磨羯宮は、ポジティブな意味を持つ宮とみなされていた。しかしキリスト教時代になると、この宮を象徴する動物である雄ヤギが悪魔を連想させることから、占星術においても(裕福、自制、集中力、不屈の力などの特徴が与えられる一方で)錯誤、欺瞞、吝嗇、狭量などの否定的な概念と結び付けられるようになった。*
***
以上の引用を見ると【金貨クイーン】は、節度をわきまえた大人しい性質を身上とし、労せずとも豊かな自然の恵みを受け取ることが出来る立場に身を置いているようです。またネガティブな条件下では、錯誤、欺瞞、吝嗇(ケチ)狭量な面も持ち合わせているのかも知れません。
彼女は上記のような価値観に「守られている」と言って良いでしょう。苦労せずとも物質的なものに恵まれる身分に座り、一般的な価値観から逸脱することなく節度をわきまえ、多くを産み、多くを養うことに勤しんでいるようです。
そんな生き方が彼女の知恵(=コクマー)でもあるのでしょう。そうしている限り彼女は安全に暮らしていけます。
こんなに恵まれた環境にいても彼女の立場は不確かなのでしょうか?
彼女は『労せずにて』この立場を与えられています。もし突然、何らかの理由でその椅子を追われれば、たちまち途方に暮れてしまうでしょう。彼女がこの恵まれた椅子に座って成しているのは、大人しく人の言うことを聞いて、子供を養ったり生活を営んでいるだけです。彼女は自力で立っているのではなく、誰かの力に依存しています。
自分で自分の人生の方向を定めることも出来ないので見通しは不明瞭にならざるを得ないでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
以上の3枚は、3枚とも「足元の灰色」のあり方が違いました。
【金貨2】はシンプルで平らな灰色の地面
【金貨キング】は成形されていない石畳と牡牛の置物
【金貨クイーン】は雌ヤギと枇杷の飾りの玉座 でした。
どんな灰色を人生と生活の基盤としているかを考えると、すごく特徴がよく分かる比較になっている気がします。
【金貨2】では、ごくごく世俗的な生活基盤があるようでしたし、【金貨キング】では、天与の本能と生命力が、世俗的成功を可能にしているようでした。【金貨クイーン】では労せずして多くのものを与えられる身分に座り、で日々黙々と生命を養っていました。
コートカードの2枚は人格の乏しさに特徴があると思います。人格の乏しさが、逆に多くの恵みを手にする結果になっているのが面白いなぁと思いました。
次回は、灰色がほとんどない 【金貨9】【金貨ナイト】【金貨ペイジ】をチェックしてみたいと思います。
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