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大阪の占い師 サワツ純子 のタロットブログです。たまに理屈っぽい日常のああだこうだも入っています。
長文OK・お暇な方のみお読み下さいませ。(・∀・)サワツ純子
※各ブログ記事へのインデックスを作ってみました。良ければご利用ください※
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興味のある方はどうぞお越しくださいませ。
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今回は、4枚の“2”のカードです。
*-*-*-*-*-*-*
【棒2】一歩踏み出してみた。反応が気になる。状況が折り合えば前に進もうと思っている。
【聖杯2】二つの心が感じあう。相手を意識する。
【剣2】妥協する。自分の本心に眼をつぶって現状と折り合う(戦い・対決を避けるため)。
【金貨2】状況をやりくりする、変化のある状況。
*-*-*-*-*-*-*
2のカードでは4つのエレメントの性質が現象として現われてきます。エースのカードではただ存在しているだけだったものが、“2”では他者と作用して何らかの反応や動きを作り出すと考えます。
*-*-*-*-*-*-*
【棒の2】では高まったやる気(棒エース)が“きっかけ”を得て行動を起こすに至りました。一歩踏み出してみたというわけです。
一歩踏み出したことは価値ある経験です。何しろ実際に物事を始めたのですから。一歩踏み出したことに本人は満足を感じ、小さな自信を得るでしょう。しかしその自信はまだ調子に乗ってどんどん行く勢いまでには至っていません。『一歩踏み出したぞ、よし、よくやった。今のところこれで大丈夫みたいだ。次もう一歩踏み出せるかな?…いやいや失敗しないように慎重に行こう。大丈夫・丁度いい、という条件が揃ったら前に進むことにしよう』…わたしにはカードの人物がこのようにつぶやいているように思えます。
【棒2】のカードをよくご覧下さい。
中央の人物は左を向いています。左は過去・本能・無意識などを象徴しているといいます(右は未来・精神・意識的)。
勢いよく自信満々であれば未来に向かってもっと意気揚々としていても良いはずですが、この人物は過去の方を見て動きも少なく、一人内向的になっているようにすら見えます。
彼は城砦の内側にいるようです。この城の主なのでしょうか。右手には地球のオブジェを持っています。もう既に充分な実績を手にしている人であり、何らかの権限を行使出来る立場にあるのでしょう。棒の一本は手に持たれており、もう一本は城砦に固定されています。これらはどのように解釈すれば良いでしょうか。
彼は既に得たものや力を失いたくないのだと、わたしは解釈しています。
彼はもちろん前に進むべきであり、進もうとしている。しかし同時に彼は“今まで培い勝ち取ってきたもの”を失うようなことはしたくない/するつもりはない。彼は、何がなんでも前に進もうとしているのではなく『条件が合えば進んでも良い』と思っているのです。
棒の一本が彼の城砦に固定されているのは、彼の前進の条件のうち一つは『彼の今までの実績を保証していなければならない』ということであろうと思います。そして「進むかどうかの決定権」は彼本人が握っていることをも示唆していると考えます。
逆位置、【棒2▼】では、不都合なことがあるために前に進まない、条件が折り合わない、などと読んでいます。
しかしその不都合な条件を取り去ってやり、代わりに良い条件が現われてくれば前に進み始めるだろうと考えます。
*-*-*-*-*-*-*
【聖杯の2】では、2つの心がお互いの存在を意識しあっています。聖杯のエースでは温かい気持ちや好意はその人の中にあるのみでした。2ではその好意は“特定の相手”を見つめています。
自分はこうである、相手はどうなのか?合うのか、合わないのか?ということがその主なテーマであると考えられます。自分だけではなく、相手だけでもない。相手によって自分のスタンスも変わり得るし、自分の振る舞いによって相手のスタンスも変わり得ます。お互いがお互いを意識し、影響を与え合っています。それは2つの心が何とか『合わさろうとする』試みです。違いを埋め、同調しようとします。小さな波を重ねて大きな波を作ろうとします。愛の感情の高まりが合わさればそれは恋となります。
カードの中では二人の人間がそれぞれの杯を合わせて見つめあっています。カチンと合わせた杯の中央に、2匹の蛇がらせん状に巻き付いた“カドゥケウスの杖”があり、翼のある獅子の顔が浮かんでいます。男女2つの心が有機的に結びつき調和した暁には、価値あるものが生まれ、癒しがもたらされるということを表わしているのでしょう。
このカードが実占で現われた時には『2つの心がお互いに合わさろうと意識している』と読んでいます。恋愛関係であれそのほかの関係であれ、お互いがお互いの気持ちや意向を探っていると考えます。正位置であれば気持ちは通じあい、逆位置であれば“ずれ”があると読みます。
【聖杯2▼】お互いの気持ちや意見を合わせようとするが合わない。価値観や考え方、フィーリングの違い。理屈ではなく好みに合わない。
わたしは、このカードが出れば正位置であれ逆位置であれ『お互いを意識しあう状況がある』ことだけは保証できると考えています。
正位置で出れば恋愛関係が成就し、逆位置ならば想いは破れる…という単純な読み方はちょっと出来ないな、という印象があるのです。逆位置の場合にも『お互いが相手の気持ちや意向を気にする状況』自体は存在すると思われるからです。相手のスタンスが変わったり、自分のアプローチ方法を相手好みに変えたりすれば状況を良くする余地があると考えています。
またこのカードは好意を持ち合う二人の間だけでなく、意見の合わない二人の間にもよく現われます。人の心がふたつ寄れば、それは離れようとはせず合わさろうとする、同調しようとする…これは水の性質そのものだなぁと思わされます。
*-*-*-*-*-*-*
【剣の2】では、相反する二つの考え方が争いを避け、妥協し合って静けさを保っている状況があると考えます。
【剣エース】では、課題に対する自分の決心や考えだけがありました。【剣2】ではその課題に対して二つの相反する考え方が存在します。そして今はどちらを取ると決めることが出来ません。
安全策を取るか、それともリスクを冒してやってみるか。自分の意見を通すか、相手の意見を採用するか。現状を優先するか、理想を優先するか。どちらかの意見を採用することはいずれにせよリスクを冒すことになります。【剣2】では現状に波風を立てないことを選んでいます。中央の女性は大きな二つの剣を交差させて持ち、何かを拒否しています。目隠しをし、何かを見ないようにしています。心や感情の源を表わす海に背を向けていることは、彼女自身の本心を見ないようにしていることの表れでしょうか。
実占でもこのカードは「安全策をとる」「波風を立てないようにやりすごす」「本心をごまかしている」などと読んでいます。
逆位置【剣2▼】では「自分の本心をひっこめることが出来ない」「納得いかない思いを残している」などと読むことが多いです。
「自分」と「敵」の2者だけが存在するとき、人は安易に戦いに入ることは出来ません。人が二人いればまず仲良くなろうとするのが自然なのです。人は一人では生きていけません。性質の違う人間が二人で協力すれば、むしろ1+1が2以上になり得ます。もし目の前のたった一人の人間を敵にしてしまえばどちらかが滅ぶことになり、リスクが増大します。それはあらゆる意味で良い選択とは言えません。
【剣2】は、敵対するものに対してまずリスクを避け妥協しようとする人間の自然な振る舞いがよく現われているなぁと思います。このカードは実占では比較的シンプルに読めるもののひとつだという印象があります。
*-*-*-*-*-*-*
【金貨の2】では、ある二つの状況のやりくり/変化する状況に対処する様子が表わされていると読んでいます。
中央の人物は二つの金貨をジャグラーのように扱って平衡を保っています。1つを選んでもう1つを脇に置くのではなく、二つを同時に上手く取り扱っています。
【金貨のエース】ではある物事に対する見通しが立つ/手応えを感じると読みました。ここでは何かしらひとつの状況だけが問題となっていました。
【金貨2】では考慮すべき状況は2つとなります。たとえば仕事とプライベート、本職と副業かも知れません。この場合は『二つのわらじ』的状況をやりくりすると解釈できるでしょう。
あるいは好調な時期と不調な時期、ポジティブな方法とネガティブな方法などかも知れません。この場合は問題の状況が周期的に変化していて、その変化を上手く調節しながらやり過ごすという風に解釈が出来そうです。
金貨は主に現実問題や価値あるものを取り扱うと見るので、このカードが出た場合、本人は二つの状況を容易に取捨選択できず、二つを取りこぼさないように頑張って維持しようとしている、と考えられます。取り扱っている状況は本人にとって維持すべき現実的価値のあるものなのです。仕事とプライベートにしても、本業と副業にしても、簡単にどちらかを切り捨てて整理することは出来ません。
あるいは、ある状況は安定せず、良くなったり悪くなったりを繰り返しているのかも知れません。その場合でも本人はそれを簡単に諦めたり放り出したりせず、維持しようとします。
実占では『2足のわらじ的状況』なのか『状況が変化している』と見るべきなのかを結構迷います(特に恋愛問題ではその点神経質になります)。周囲のカードを参考にしますがその辺りの判断は割合感覚的にしています。
ただ、そのような具体的なことに焦点を当てる必要がない時には『本人がその問題を頑張って維持しようとしている/変化にも器用に対応している』と読んでいます。
【金貨2▼】では、その状況を取りこぼす/うまくこなせないなどと読みます。ただしこのカードの逆位置が致命的な状況を表わすことは滅多にない印象があります。
*-*-*-*-*-*-*
“2”はタロット的世界観において最も重要な数字ではないかと思います。
世界のあらゆる『二項対立の均衡をとる』ことがタロットの至上命題として設定されているようにわたしには思えるからです。
自分がいて、自分以外の存在がある。光と闇があり、善と悪がある。生と死、過去と未来、本能と理性、物質と精神、男性原理と女性原理、剛と柔、動と静…
世界のすべては正反対の性質を持つ二つのものの組み合わせで構成され、その平衡をとることが『理想的な完璧な状態』であり、さらにそれは固定化されたものではありえないのです。
世界は動き続けています。ですから『理想的で完璧な釣り合いポイント』も刻々と変化しているはずです。やじろべえのように、ゆらゆら揺れている『ある状態』に最適な、『あるバランス』が存在します。“あなたたちはそれを実現するように!”というメッセージをタロットは常に発信しているようです。
10進法の世界では、2には8を、4には6を、5には5を持ってくればバランスは保たれ、一回り大きな“1”という、新たな現実が実現されるでしょう。ある一瞬には2であり、次の瞬間には9であり、さらに5である状況があれば、それには最初8で対応し、次に1で、さらに5で対応すれば丁度釣り合いがとれることになります。
数字で例えれば簡単な理屈ですが、これをわたしたちの人生で起こりうるすべての状況に当てはめてみれば、そう簡単にはいきません。
それでも仕事や恋愛において成功をおさめようとすれば、ある状況に最適の行動や態度をとればいいのだ…ということは理屈として納得がいきます。ただそれが数学的にシンプルではないだけのことです。
タロットはその図象を通して常に『二項対立の均衡をとる』ことをメッセージとして投げかけてきます。小アルカナの“2”のカードでは、その現象における微小でシンプルなパターンを検討することが出来ます。棒では『やる気・行動vs状況・条件』として。聖杯では『自分の心vs相手の心』として。剣では『ひとつの考えvsもうひとつの考え』として。金貨では『ある状況vsもうひとつの状況』もしくは『ある状況&もうひとつの状況』として。
“二項対立”といえばもちろん【2・女教皇(The HighPriestess)】のカードを検討せずにはおれません。大アルカナの【2・女教皇】のカードでは小アルカナのようにシンプルな事象ではなく、複数の二項対立についての知恵が図象中にちりばめられています。
女教皇という存在自体が「二項対立の理想的な均衡の象徴」とも言えるでしょう。そもそも教皇とは必ず男性であるべき存在です。それが女性であることは、非現実的ではあるけれど理想的な、二項対立の均衡をあらわしていると考えられます。手に持った経典『TORA』は知恵と掟の書物ですが、背後のざくろのタペストリーは女性としての本能を表わしていますし、その後ろの海面、足下の水も豊かな感情の力が存在することを示唆しています。本能も感情も、知性や掟とは相反するものです。
白と黒の柱は光と闇、善と悪などあらゆる二項対立を分かりやすく象徴しています。足下に置かれた月のオブジェは、徐々に満ち欠けし周期的にその姿を変えるものごとを表わしています。
この“2”の要素の詰まった大アルカナカードを理解し、実際の個人の行動に活かすためには、小アルカナの“2”をマスターするのは良いレッスンとなるでしょう。
実際ここから続く“3”や“4”…それ以上の数字を使いこなすには“2”の基礎レッスンは欠かせないと言えます。シンプルな問題をこなさないでどうして複雑な問題をこなすことができるでしょう?
そして複雑な問題をこなすときには、その問題を最小の単位に分け、ひとつひとつ地道にこなしていくことが求められるものです。
わたしたちが今、個々に直面している現実的な問題の中に、この4つのスートの“2”がどれだけ含まれているかを考えることは大きな気づきをもたらすに違いありません。
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【棒2】一歩踏み出してみた。反応が気になる。状況が折り合えば前に進もうと思っている。
【聖杯2】二つの心が感じあう。相手を意識する。
【剣2】妥協する。自分の本心に眼をつぶって現状と折り合う(戦い・対決を避けるため)。
【金貨2】状況をやりくりする、変化のある状況。
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2のカードでは4つのエレメントの性質が現象として現われてきます。エースのカードではただ存在しているだけだったものが、“2”では他者と作用して何らかの反応や動きを作り出すと考えます。
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【棒の2】では高まったやる気(棒エース)が“きっかけ”を得て行動を起こすに至りました。一歩踏み出してみたというわけです。
一歩踏み出したことは価値ある経験です。何しろ実際に物事を始めたのですから。一歩踏み出したことに本人は満足を感じ、小さな自信を得るでしょう。しかしその自信はまだ調子に乗ってどんどん行く勢いまでには至っていません。『一歩踏み出したぞ、よし、よくやった。今のところこれで大丈夫みたいだ。次もう一歩踏み出せるかな?…いやいや失敗しないように慎重に行こう。大丈夫・丁度いい、という条件が揃ったら前に進むことにしよう』…わたしにはカードの人物がこのようにつぶやいているように思えます。
【棒2】のカードをよくご覧下さい。
中央の人物は左を向いています。左は過去・本能・無意識などを象徴しているといいます(右は未来・精神・意識的)。
勢いよく自信満々であれば未来に向かってもっと意気揚々としていても良いはずですが、この人物は過去の方を見て動きも少なく、一人内向的になっているようにすら見えます。
彼は城砦の内側にいるようです。この城の主なのでしょうか。右手には地球のオブジェを持っています。もう既に充分な実績を手にしている人であり、何らかの権限を行使出来る立場にあるのでしょう。棒の一本は手に持たれており、もう一本は城砦に固定されています。これらはどのように解釈すれば良いでしょうか。
彼は既に得たものや力を失いたくないのだと、わたしは解釈しています。
彼はもちろん前に進むべきであり、進もうとしている。しかし同時に彼は“今まで培い勝ち取ってきたもの”を失うようなことはしたくない/するつもりはない。彼は、何がなんでも前に進もうとしているのではなく『条件が合えば進んでも良い』と思っているのです。
棒の一本が彼の城砦に固定されているのは、彼の前進の条件のうち一つは『彼の今までの実績を保証していなければならない』ということであろうと思います。そして「進むかどうかの決定権」は彼本人が握っていることをも示唆していると考えます。
逆位置、【棒2▼】では、不都合なことがあるために前に進まない、条件が折り合わない、などと読んでいます。
しかしその不都合な条件を取り去ってやり、代わりに良い条件が現われてくれば前に進み始めるだろうと考えます。
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【聖杯の2】では、2つの心がお互いの存在を意識しあっています。聖杯のエースでは温かい気持ちや好意はその人の中にあるのみでした。2ではその好意は“特定の相手”を見つめています。
自分はこうである、相手はどうなのか?合うのか、合わないのか?ということがその主なテーマであると考えられます。自分だけではなく、相手だけでもない。相手によって自分のスタンスも変わり得るし、自分の振る舞いによって相手のスタンスも変わり得ます。お互いがお互いを意識し、影響を与え合っています。それは2つの心が何とか『合わさろうとする』試みです。違いを埋め、同調しようとします。小さな波を重ねて大きな波を作ろうとします。愛の感情の高まりが合わさればそれは恋となります。
カードの中では二人の人間がそれぞれの杯を合わせて見つめあっています。カチンと合わせた杯の中央に、2匹の蛇がらせん状に巻き付いた“カドゥケウスの杖”があり、翼のある獅子の顔が浮かんでいます。男女2つの心が有機的に結びつき調和した暁には、価値あるものが生まれ、癒しがもたらされるということを表わしているのでしょう。
このカードが実占で現われた時には『2つの心がお互いに合わさろうと意識している』と読んでいます。恋愛関係であれそのほかの関係であれ、お互いがお互いの気持ちや意向を探っていると考えます。正位置であれば気持ちは通じあい、逆位置であれば“ずれ”があると読みます。
【聖杯2▼】お互いの気持ちや意見を合わせようとするが合わない。価値観や考え方、フィーリングの違い。理屈ではなく好みに合わない。
わたしは、このカードが出れば正位置であれ逆位置であれ『お互いを意識しあう状況がある』ことだけは保証できると考えています。
正位置で出れば恋愛関係が成就し、逆位置ならば想いは破れる…という単純な読み方はちょっと出来ないな、という印象があるのです。逆位置の場合にも『お互いが相手の気持ちや意向を気にする状況』自体は存在すると思われるからです。相手のスタンスが変わったり、自分のアプローチ方法を相手好みに変えたりすれば状況を良くする余地があると考えています。
またこのカードは好意を持ち合う二人の間だけでなく、意見の合わない二人の間にもよく現われます。人の心がふたつ寄れば、それは離れようとはせず合わさろうとする、同調しようとする…これは水の性質そのものだなぁと思わされます。
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【剣の2】では、相反する二つの考え方が争いを避け、妥協し合って静けさを保っている状況があると考えます。
【剣エース】では、課題に対する自分の決心や考えだけがありました。【剣2】ではその課題に対して二つの相反する考え方が存在します。そして今はどちらを取ると決めることが出来ません。
安全策を取るか、それともリスクを冒してやってみるか。自分の意見を通すか、相手の意見を採用するか。現状を優先するか、理想を優先するか。どちらかの意見を採用することはいずれにせよリスクを冒すことになります。【剣2】では現状に波風を立てないことを選んでいます。中央の女性は大きな二つの剣を交差させて持ち、何かを拒否しています。目隠しをし、何かを見ないようにしています。心や感情の源を表わす海に背を向けていることは、彼女自身の本心を見ないようにしていることの表れでしょうか。
実占でもこのカードは「安全策をとる」「波風を立てないようにやりすごす」「本心をごまかしている」などと読んでいます。
逆位置【剣2▼】では「自分の本心をひっこめることが出来ない」「納得いかない思いを残している」などと読むことが多いです。
「自分」と「敵」の2者だけが存在するとき、人は安易に戦いに入ることは出来ません。人が二人いればまず仲良くなろうとするのが自然なのです。人は一人では生きていけません。性質の違う人間が二人で協力すれば、むしろ1+1が2以上になり得ます。もし目の前のたった一人の人間を敵にしてしまえばどちらかが滅ぶことになり、リスクが増大します。それはあらゆる意味で良い選択とは言えません。
【剣2】は、敵対するものに対してまずリスクを避け妥協しようとする人間の自然な振る舞いがよく現われているなぁと思います。このカードは実占では比較的シンプルに読めるもののひとつだという印象があります。
*-*-*-*-*-*-*
【金貨の2】では、ある二つの状況のやりくり/変化する状況に対処する様子が表わされていると読んでいます。
中央の人物は二つの金貨をジャグラーのように扱って平衡を保っています。1つを選んでもう1つを脇に置くのではなく、二つを同時に上手く取り扱っています。
【金貨のエース】ではある物事に対する見通しが立つ/手応えを感じると読みました。ここでは何かしらひとつの状況だけが問題となっていました。
【金貨2】では考慮すべき状況は2つとなります。たとえば仕事とプライベート、本職と副業かも知れません。この場合は『二つのわらじ』的状況をやりくりすると解釈できるでしょう。
あるいは好調な時期と不調な時期、ポジティブな方法とネガティブな方法などかも知れません。この場合は問題の状況が周期的に変化していて、その変化を上手く調節しながらやり過ごすという風に解釈が出来そうです。
金貨は主に現実問題や価値あるものを取り扱うと見るので、このカードが出た場合、本人は二つの状況を容易に取捨選択できず、二つを取りこぼさないように頑張って維持しようとしている、と考えられます。取り扱っている状況は本人にとって維持すべき現実的価値のあるものなのです。仕事とプライベートにしても、本業と副業にしても、簡単にどちらかを切り捨てて整理することは出来ません。
あるいは、ある状況は安定せず、良くなったり悪くなったりを繰り返しているのかも知れません。その場合でも本人はそれを簡単に諦めたり放り出したりせず、維持しようとします。
実占では『2足のわらじ的状況』なのか『状況が変化している』と見るべきなのかを結構迷います(特に恋愛問題ではその点神経質になります)。周囲のカードを参考にしますがその辺りの判断は割合感覚的にしています。
ただ、そのような具体的なことに焦点を当てる必要がない時には『本人がその問題を頑張って維持しようとしている/変化にも器用に対応している』と読んでいます。
【金貨2▼】では、その状況を取りこぼす/うまくこなせないなどと読みます。ただしこのカードの逆位置が致命的な状況を表わすことは滅多にない印象があります。
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“2”はタロット的世界観において最も重要な数字ではないかと思います。
世界のあらゆる『二項対立の均衡をとる』ことがタロットの至上命題として設定されているようにわたしには思えるからです。
自分がいて、自分以外の存在がある。光と闇があり、善と悪がある。生と死、過去と未来、本能と理性、物質と精神、男性原理と女性原理、剛と柔、動と静…
世界のすべては正反対の性質を持つ二つのものの組み合わせで構成され、その平衡をとることが『理想的な完璧な状態』であり、さらにそれは固定化されたものではありえないのです。
世界は動き続けています。ですから『理想的で完璧な釣り合いポイント』も刻々と変化しているはずです。やじろべえのように、ゆらゆら揺れている『ある状態』に最適な、『あるバランス』が存在します。“あなたたちはそれを実現するように!”というメッセージをタロットは常に発信しているようです。
10進法の世界では、2には8を、4には6を、5には5を持ってくればバランスは保たれ、一回り大きな“1”という、新たな現実が実現されるでしょう。ある一瞬には2であり、次の瞬間には9であり、さらに5である状況があれば、それには最初8で対応し、次に1で、さらに5で対応すれば丁度釣り合いがとれることになります。
数字で例えれば簡単な理屈ですが、これをわたしたちの人生で起こりうるすべての状況に当てはめてみれば、そう簡単にはいきません。
それでも仕事や恋愛において成功をおさめようとすれば、ある状況に最適の行動や態度をとればいいのだ…ということは理屈として納得がいきます。ただそれが数学的にシンプルではないだけのことです。
タロットはその図象を通して常に『二項対立の均衡をとる』ことをメッセージとして投げかけてきます。小アルカナの“2”のカードでは、その現象における微小でシンプルなパターンを検討することが出来ます。棒では『やる気・行動vs状況・条件』として。聖杯では『自分の心vs相手の心』として。剣では『ひとつの考えvsもうひとつの考え』として。金貨では『ある状況vsもうひとつの状況』もしくは『ある状況&もうひとつの状況』として。
“二項対立”といえばもちろん【2・女教皇(The HighPriestess)】のカードを検討せずにはおれません。大アルカナの【2・女教皇】のカードでは小アルカナのようにシンプルな事象ではなく、複数の二項対立についての知恵が図象中にちりばめられています。
女教皇という存在自体が「二項対立の理想的な均衡の象徴」とも言えるでしょう。そもそも教皇とは必ず男性であるべき存在です。それが女性であることは、非現実的ではあるけれど理想的な、二項対立の均衡をあらわしていると考えられます。手に持った経典『TORA』は知恵と掟の書物ですが、背後のざくろのタペストリーは女性としての本能を表わしていますし、その後ろの海面、足下の水も豊かな感情の力が存在することを示唆しています。本能も感情も、知性や掟とは相反するものです。
白と黒の柱は光と闇、善と悪などあらゆる二項対立を分かりやすく象徴しています。足下に置かれた月のオブジェは、徐々に満ち欠けし周期的にその姿を変えるものごとを表わしています。
この“2”の要素の詰まった大アルカナカードを理解し、実際の個人の行動に活かすためには、小アルカナの“2”をマスターするのは良いレッスンとなるでしょう。
実際ここから続く“3”や“4”…それ以上の数字を使いこなすには“2”の基礎レッスンは欠かせないと言えます。シンプルな問題をこなさないでどうして複雑な問題をこなすことができるでしょう?
そして複雑な問題をこなすときには、その問題を最小の単位に分け、ひとつひとつ地道にこなしていくことが求められるものです。
わたしたちが今、個々に直面している現実的な問題の中に、この4つのスートの“2”がどれだけ含まれているかを考えることは大きな気づきをもたらすに違いありません。
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