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大阪の占い師 サワツ純子 のタロットブログです。たまに理屈っぽい日常のああだこうだも入っています。
長文OK・お暇な方のみお読み下さいませ。(・∀・)サワツ純子
※各ブログ記事へのインデックスを作ってみました。良ければご利用ください※
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今回はカードナンバー【9】、隠者のカードです。
*-*-*-*-*-*-*
【9・隠者(The Hermit)】
◆おおまかな意味:
内省、単独行動、深い知恵、過去・経験、引っ込み思案、偏屈・頑固、秘密 ネガティブ など
*-*-*-*-*-*-*
時刻は夕方遅くから夜でしょうか。雪が積もったような地面の上に一人の年取った男性が足元を見て立っています。
彼は右手に黄色い杖を持ち、左手にはカンテラを下げています。カンテラの明かりは黄色く輝く六芒星。この灯りで彼が照らしているのは足元だけなのでしょうか?それとも誰かを導いているのでしょうか。
重々しいグレーの衣服に身を包み、闇に紛れるようにして彼はたった一人で立っています。豊かなひげやフードの隙間から見える頭髪は真っ白で老人のように見えますが、彼の背筋はスッと真っ直ぐに伸び、肌の様子や表情からは幾分かの力が感じられます。ひょっとしたら彼はまだ初老あたりの年齢かも知れません。しかし心の方はすっかり老人と言っても差支えがないくらい老成しているようです。
背景には薄暗闇があるのみ。草一本生えない荒地の雪の上で一人、彼は一体何をし、何を思っているのでしょうか。
*-*-*-*-*-*-*
地味で陰鬱な印象のカードです。同じ暗いイメージのカードでも【13・死神】や【16・塔】では黒々とした恐ろしさが強烈にあり、【12・吊された男】では逆さづりの奇妙な状況の絵柄がそれなりに印象に残ります。しかしこのカードはただ灰色の背景に灰色の男が立っているだけ…何の面白みも感じられません。
ただひとつ興味を引くのは薄暗い灰色の中で輝く黄色でしょうか。曖昧な、先の見えない暗闇の中に浮き立つのは知恵の黄色い光だけ。ささやかな、か弱い光ですがこの何もない暗闇の中ではどんなに心強く美しい輝きに感じられることでしょう。その光を手に掲げているのは、暗闇と同化し、まるで劇場の黒子のように存在を消している老人なのです。
ただし彼はその存在感をすっかり消しきることは出来ていないようです。カンテラの光と黄色い杖は鮮やかに輝いているのに、薄暗く沈んだ彼の雰囲気にもやはり何か好奇心を惹くところがあります。彼はどうしてこんな薄暗い淋しい場所に一人でいるのか?彼はどんな人生を生き、そこで一体何があってここに来たのか?どこで生まれ育ち、両親や兄弟や友達はどんなで、誰かを愛したり別れたりしたのか。まだ使い物になりそうな身体なのに、沈んだ様子で人里から離れて引っ込んでいるのは何故なのか?そして毎日彼は何をし、何を考えながら過ごしているのか?
興味を惹きそうなものはほとんど何も描かれていないこのカードから得られるものは、このような『疑問』です。一人の人間が実際に経験したのであろう人生についての、疑問。過去の経験やドラマ、そこから得た学び・知恵・哲学。彼はそれらを充分すぎるほど、恐らく多すぎて重過ぎるほど持っているにも関わらず、表に出していません。
表に出さず隠している…隠しているからこそ、そこには何かがあるのだと鋭い人は推量します。彼が持っている過去の経験は、他の人が生きていくためにも役立ち、滋味になるものです。しかしそれは…目立たぬようにしている彼がその胸と記憶に隠し持っている知恵と物語を本当に必要としている人にだけ明かされるもの。彼のいる深淵にたどり着き、彼に直接問うた者にだけ明かされるものなのです。
これは誰にでも簡単に明かされる開かれた知恵ではありません。しかし求める者には確かに与えられる希望の知恵でもあります。そのためには彼のいる薄暗い場所に一人で入っていく必要があります。そこで人は太陽の豊かな光の下では見えない、小さいけれども清浄な人間の光を見つけるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
実占では、表にしゃしゃり出ず陰から支える、少しの間大人しくしておく、誰にも邪魔されず一人で物事を追求する、単独行動を好む、秘密にしておく、経験豊富な人物、などと解釈することが多いです。逆位置など否定的な意味合いとしては、頑迷・偏屈、ネガティブ思考、陰湿、知恵が活かされない状態などと考えます。
いずれにせよ、表に出ないで大人しくしているのは『そこにその人だけの事情がある』ということを合わせて考えます。そしてその事情は基本的に明かされない、もしくは明かすことが出来ないものであるという意味を持たせます。
しかしその事情がどのようなものであるかどうかは他のカードと合わせて考える必要があります。
また高尚な知識、神秘学と癒しなど日常的なレベルから離れた知恵についての意味も加えています。伝統的に隠者の男性のモデルはヘルメス・トリスメギストスと言われています。ヘルメス・トリスメギストスは錬金術の開祖であり、宗教者、哲学者、占星家などたくさんの顔を持ち、あらゆる神秘思想の偉大な師として象徴的な存在です。
出典は定かではないのですが、このカードは『時間』を象徴する側面があるとどこかで聞いた覚えがあります。【7・戦車】【8・力】【9・隠者】の流れで言えば『時間』は解釈のポイントとして有効なファクターだと思います。【7・戦車】は若者に象徴されるような比較的短い期間、【8・力】は成人に象徴されるような比較的長い時間、そしてこの隠者のカードは老人に象徴されるような、積み上げられたとても長い時間…時には幾世代・幾時代をも経た歴史的な側面をも持つとヒタチは考えています。あまり実占で使うイメージではありませんが…
またこのブログタイトルである『青い鳥』(メーテルリンク著、堀口大学訳)の物語の中で、役名『時』の衣装は、黒っぽいマントと砂時計と鎌を持っています。この衣装は伝統的に『死神』の姿を表現しているのですが、隠者のカードの男性のカンテラを砂時計に、杖を鎌に持ち替えさせてみたらどうでしょう。死神=『時』の衣装にそっくりではありませんか。
死神にも似た格好の老人が六芒星のカンテラと黄色い知恵の杖を持っている…死神は骸骨ですでに人間ではありません。隠者は死に近いところにいながら明らかに人間です。彼は偉大な錬金術師・魔術師かも知れませんがやはり人間であり、人間としての人生と経験を経てきたのです。それはどんな人生だったのだろう…わたしはそのようにスーパーマンではなく人間としての彼の経験に興味を持っています。
*-*-*-*-*-*-*
夜空に輝く月や星は昼間には見えませんが、夜と同様に空にあります。ただ、空が明るすぎてわたしたちの目に見えないだけなのです。
星の青く白く輝く光を見ようとするなら夜です。暗くなければ見えない光というのがあり、それはわたしたちに太陽とは違う何かを示してくれます。
ろうそくの炎やほたるの光を思い浮かべてください。暗闇に光る小さな光というのは何と心を癒してくれるものなのでしょう。太陽の圧倒的な光と熱が与えてくれる生命の力はダイナミックですが、その大きな力では強すぎるわたしたちの心の小さな部品は、暗闇の中でだけ見えるような小さな清浄な光によって癒されるものなのです。
夜にだけ点るネオンサインや、夏の風物詩・花火も夜の暗闇の中であってこそ、その色を発揮します。これらの色に芸術的な美しさを見るのはわたしたちが人間であってこそです。太陽の光がわたしたちの存在そのもの・生命を育んでいるものだとしたら、暗闇の中でだけ見える小さな光は、人間の心や精神と関係しているのです。
年老いた隠者はもうすでに太陽の光をさほど多くは必要とせず、心と精神の拠りどころである小さな光が絶えず見える場所に留まろうと決心したのかも知れません。
疲れた時、迷った時、彼の場所まで訪ねて行けば誰でも、人類が長い歴史を経て育んできた心と精神の希望の光を優しく分け与えてもらえることでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
このカードは
を表していると思います。
コメントはBBSへどうぞ
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【9・隠者(The Hermit)】
◆おおまかな意味:
内省、単独行動、深い知恵、過去・経験、引っ込み思案、偏屈・頑固、秘密 ネガティブ など
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時刻は夕方遅くから夜でしょうか。雪が積もったような地面の上に一人の年取った男性が足元を見て立っています。
彼は右手に黄色い杖を持ち、左手にはカンテラを下げています。カンテラの明かりは黄色く輝く六芒星。この灯りで彼が照らしているのは足元だけなのでしょうか?それとも誰かを導いているのでしょうか。
重々しいグレーの衣服に身を包み、闇に紛れるようにして彼はたった一人で立っています。豊かなひげやフードの隙間から見える頭髪は真っ白で老人のように見えますが、彼の背筋はスッと真っ直ぐに伸び、肌の様子や表情からは幾分かの力が感じられます。ひょっとしたら彼はまだ初老あたりの年齢かも知れません。しかし心の方はすっかり老人と言っても差支えがないくらい老成しているようです。
背景には薄暗闇があるのみ。草一本生えない荒地の雪の上で一人、彼は一体何をし、何を思っているのでしょうか。
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地味で陰鬱な印象のカードです。同じ暗いイメージのカードでも【13・死神】や【16・塔】では黒々とした恐ろしさが強烈にあり、【12・吊された男】では逆さづりの奇妙な状況の絵柄がそれなりに印象に残ります。しかしこのカードはただ灰色の背景に灰色の男が立っているだけ…何の面白みも感じられません。
ただひとつ興味を引くのは薄暗い灰色の中で輝く黄色でしょうか。曖昧な、先の見えない暗闇の中に浮き立つのは知恵の黄色い光だけ。ささやかな、か弱い光ですがこの何もない暗闇の中ではどんなに心強く美しい輝きに感じられることでしょう。その光を手に掲げているのは、暗闇と同化し、まるで劇場の黒子のように存在を消している老人なのです。
ただし彼はその存在感をすっかり消しきることは出来ていないようです。カンテラの光と黄色い杖は鮮やかに輝いているのに、薄暗く沈んだ彼の雰囲気にもやはり何か好奇心を惹くところがあります。彼はどうしてこんな薄暗い淋しい場所に一人でいるのか?彼はどんな人生を生き、そこで一体何があってここに来たのか?どこで生まれ育ち、両親や兄弟や友達はどんなで、誰かを愛したり別れたりしたのか。まだ使い物になりそうな身体なのに、沈んだ様子で人里から離れて引っ込んでいるのは何故なのか?そして毎日彼は何をし、何を考えながら過ごしているのか?
興味を惹きそうなものはほとんど何も描かれていないこのカードから得られるものは、このような『疑問』です。一人の人間が実際に経験したのであろう人生についての、疑問。過去の経験やドラマ、そこから得た学び・知恵・哲学。彼はそれらを充分すぎるほど、恐らく多すぎて重過ぎるほど持っているにも関わらず、表に出していません。
表に出さず隠している…隠しているからこそ、そこには何かがあるのだと鋭い人は推量します。彼が持っている過去の経験は、他の人が生きていくためにも役立ち、滋味になるものです。しかしそれは…目立たぬようにしている彼がその胸と記憶に隠し持っている知恵と物語を本当に必要としている人にだけ明かされるもの。彼のいる深淵にたどり着き、彼に直接問うた者にだけ明かされるものなのです。
これは誰にでも簡単に明かされる開かれた知恵ではありません。しかし求める者には確かに与えられる希望の知恵でもあります。そのためには彼のいる薄暗い場所に一人で入っていく必要があります。そこで人は太陽の豊かな光の下では見えない、小さいけれども清浄な人間の光を見つけるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
実占では、表にしゃしゃり出ず陰から支える、少しの間大人しくしておく、誰にも邪魔されず一人で物事を追求する、単独行動を好む、秘密にしておく、経験豊富な人物、などと解釈することが多いです。逆位置など否定的な意味合いとしては、頑迷・偏屈、ネガティブ思考、陰湿、知恵が活かされない状態などと考えます。
いずれにせよ、表に出ないで大人しくしているのは『そこにその人だけの事情がある』ということを合わせて考えます。そしてその事情は基本的に明かされない、もしくは明かすことが出来ないものであるという意味を持たせます。
しかしその事情がどのようなものであるかどうかは他のカードと合わせて考える必要があります。
また高尚な知識、神秘学と癒しなど日常的なレベルから離れた知恵についての意味も加えています。伝統的に隠者の男性のモデルはヘルメス・トリスメギストスと言われています。ヘルメス・トリスメギストスは錬金術の開祖であり、宗教者、哲学者、占星家などたくさんの顔を持ち、あらゆる神秘思想の偉大な師として象徴的な存在です。
出典は定かではないのですが、このカードは『時間』を象徴する側面があるとどこかで聞いた覚えがあります。【7・戦車】【8・力】【9・隠者】の流れで言えば『時間』は解釈のポイントとして有効なファクターだと思います。【7・戦車】は若者に象徴されるような比較的短い期間、【8・力】は成人に象徴されるような比較的長い時間、そしてこの隠者のカードは老人に象徴されるような、積み上げられたとても長い時間…時には幾世代・幾時代をも経た歴史的な側面をも持つとヒタチは考えています。あまり実占で使うイメージではありませんが…
またこのブログタイトルである『青い鳥』(メーテルリンク著、堀口大学訳)の物語の中で、役名『時』の衣装は、黒っぽいマントと砂時計と鎌を持っています。この衣装は伝統的に『死神』の姿を表現しているのですが、隠者のカードの男性のカンテラを砂時計に、杖を鎌に持ち替えさせてみたらどうでしょう。死神=『時』の衣装にそっくりではありませんか。
死神にも似た格好の老人が六芒星のカンテラと黄色い知恵の杖を持っている…死神は骸骨ですでに人間ではありません。隠者は死に近いところにいながら明らかに人間です。彼は偉大な錬金術師・魔術師かも知れませんがやはり人間であり、人間としての人生と経験を経てきたのです。それはどんな人生だったのだろう…わたしはそのようにスーパーマンではなく人間としての彼の経験に興味を持っています。
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夜空に輝く月や星は昼間には見えませんが、夜と同様に空にあります。ただ、空が明るすぎてわたしたちの目に見えないだけなのです。
星の青く白く輝く光を見ようとするなら夜です。暗くなければ見えない光というのがあり、それはわたしたちに太陽とは違う何かを示してくれます。
ろうそくの炎やほたるの光を思い浮かべてください。暗闇に光る小さな光というのは何と心を癒してくれるものなのでしょう。太陽の圧倒的な光と熱が与えてくれる生命の力はダイナミックですが、その大きな力では強すぎるわたしたちの心の小さな部品は、暗闇の中でだけ見えるような小さな清浄な光によって癒されるものなのです。
夜にだけ点るネオンサインや、夏の風物詩・花火も夜の暗闇の中であってこそ、その色を発揮します。これらの色に芸術的な美しさを見るのはわたしたちが人間であってこそです。太陽の光がわたしたちの存在そのもの・生命を育んでいるものだとしたら、暗闇の中でだけ見える小さな光は、人間の心や精神と関係しているのです。
年老いた隠者はもうすでに太陽の光をさほど多くは必要とせず、心と精神の拠りどころである小さな光が絶えず見える場所に留まろうと決心したのかも知れません。
疲れた時、迷った時、彼の場所まで訪ねて行けば誰でも、人類が長い歴史を経て育んできた心と精神の希望の光を優しく分け与えてもらえることでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
このカードは
深淵の暗闇だからこそ見える、人類の叡智の光、積み重ねられた時間
を表していると思います。
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