14_自分らしい人生を生きる【0･愚者（The Fool）】

　今回から、ウェイト版タロットカードをテーマにしてブログを書いていきたいと思います。毎回１枚～２枚を取り上げて、そのカードについてイメージ出来ること、そのカードから学び取れるものについて考え、書き進めていきます。

　毎回ながら、カード解釈やイメージはヒタチの個人的な主観に基づいていますので、タロットを勉強なさりたい方は学習用の書籍などを主体にしてくださいね。

*-*-*-*-*-*-*
【0･愚者（The Fool）】

◆おおまかな意味：
冒険、自由、無垢な精神、自分らしさ、いきあたりばったり、不安定

*-*-*-*-*-*-*

　彼は生まれたままの無垢な心をしています。世俗のことも見ず知らず、ただここに在り、未知の世界に飛び出ようとしています。

　澄んだ空気がおいしくて彼は胸いっぱいにそれを吸い込みます。まぶしく照らしてくれる太陽のあたたかさを全身に受けて、彼の身体は細胞の隅々までいっせいに喜びを叫ぶようです。見わたす限りの景色は壮大で荘厳です。彼は生きていることの素晴らしさを感じて空を仰いでいるのでしょうか。

　胸いっぱいの喜びに我を忘れていると、知らず崖の際まで来てしまいました。旅の良き道連れ、白い犬がワンワン吠えて「危ない、危ない」と言っていますが彼は有頂天で気づきません。

　彼は素敵な服を着ています。洋服の柄は『霊』を表す元素記号です。彼は自由で無垢ですが野生の生き物ではなく、あくまで人間として生まれてきました。心と感性と希望と理想を持ち、彼が他の誰でもなく彼自身であることをこの世界に顕すために人生を旅するのです。

　日輪は白く眩しく輝いて、彼の生命に対して『ＹＥＳ』と宣言しています。
　これから彼がどう生きるのか。
　それがこの物語のテーマです。ページはこれから開かれます。

*-*-*-*-*-*-*

　何ものにもとらわれない状態を表します。可能性は未知で無限大ですが、基盤も何もないのです。あるのはただ＜今＞だけ。

　伝統的にこの愚者のカードには番号は無いそうです。ウェイト版には『０』が振り当てられています。ゼロ。無を表す記号です。何もない、のですが、存在の前提だけがあるといって良いでしょう。

　カードの背景は黄色です。太陽が日輪までしっかりと描かれています。
　太陽にも象徴的に色々な意味が含まれていますが、わたしは背景が黄色のカードを見ると『生命に対する肯定と支援』があるものと受け取っています。宇宙が『生きろ』と言っている、と感じるのです。

　血や性的な興奮などを表す赤色は、若者の衣服の柄である『霊』の元素記号にだけしか使われていません。彼はまだ生々しい人間の動物的な部分を意識していません。今はまだその萌芽だけがあるようです。

　彼は人間として、動物のようにではなく、知恵や理性が力を発揮する＜人間らしい世界＞の中を生きていこうとしているのです。

　また彼は自分が他の誰でもない＜自分＞であることを世界に示そうとしています。自分が他の人たちの中に埋没してしまうことを彼は想定していません。

*-*-*-*-*-*-*

　実占では、その人がその人らしく自然にのびのびと振舞えているかどうかに焦点を当てることが多いです。計画性や基盤に乏しいのでは、とも考えます。軽率さ、無用心になっている状態、物事を一からやりなおそうとしているのでは、とも考えます。
　どんな場合でも潜在的にリスクがあると見なします。

　つきつめるとこのカードは

　自分だけの素晴らしい人生を生きていくこと、冒険に伴うリスク

　を表していると思います。

コメントはＢＢＳへどうぞ