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大阪の占い師 サワツ純子 のタロットブログです。たまに理屈っぽい日常のああだこうだも入っています。
長文OK・お暇な方のみお読み下さいませ。(・∀・)サワツ純子
※各ブログ記事へのインデックスを作ってみました。良ければご利用ください※
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興味のある方はどうぞお越しくださいませ。
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今回は色の考察【灰色】の第20回、小アルカナ【剣のスート】の灰色部分(1-3)背景が灰色のもの の、つづきです。
灰色部分の解釈を暫定的に以下のように定義しておきます。
カードの画像データは、U.S.GAMES SYSTEMS,INC から出版されているライダー版ウエイトタロットです。
『世界シンボル事典』を参考図書として用います。参考箇所には文頭と文末に『*』をつけてあります。
分類やコメントはあくまでもわたしの主観に基づいています。ご了承の上、お読み下さい。
*-*-*-*-*-*-*
(1)背景が灰色のもの…
【剣1】【剣3】【剣8】【剣4】【剣6】
これらはすべて背景の奥が灰色のものです。灰色の分量や質感が多いもの順に並べています。
*-*-*-*-*-*-*
【剣4】背景の上2/3ほどが灰色、下1/3ほどが黄色で彩色されています。
3本の剣が飾られている部分の壁が、一部明るい色になっています。
壁の左上部は綺麗な色とりどりのステンドグラス窓があり、その下の部分も明るい灰色になっています。
この札の灰色部分は教会内部の壁で、この疲れ果てて休んでいる戦士を外部から守る役割を果たしています。
それを考えるとすぐに、前回の記事で【剣8】の『城砦』について調べた部分を思い出しました。そのまま書き出してみます。
『世界シンボル事典』より要約。
*…たえず戦争や侵略の危険にさらされてきたので、人びとが安全な避難所を求めたり、神への信仰によってその避難所が得られると考えたりしたのも当然のことであった…キリスト者の信仰も、悪魔の追跡をかわせるように、砦や塔で守られた建造物のように堅固でなくてはならないと説いた。…ちなみに16~17世紀、中部ヨーロッパの南東部にトルコ軍が侵攻してきた時には、多くの教会が防御のために改築され、周囲に塀が巡らされたので、神の砦という古くからのイメージが一時的に現実のものとなった。*
【剣4】における“教会の壁=灰色部分”は、まさに『安全な避難所』『神への信仰によってその避難所が得られる』といったキーワードに合致します。
彼は『神の砦』の中で傷と疲れを癒し、生気を養っているのです。
3本の剣が飾ってある壁の一部分が少し明るく彩色されているのには何か意味があるのでしょうか。
『剣』のシンボルには「天上の真実」や「支配権・権力」「殉教」などの象徴的意味がありました。これらは灰色が表わす『世俗・物質的』『不安・見通しの悪さ』と相反します。
剣の部分だけ灰色が薄まっているのは、そこだけ世俗性や不安なども薄まっていると考えられるでしょうか。宗教画が表わされたステンドグラスの下も同様に解釈できそうです。
灰色には「相反するものの中間・混成」の意味もありました。教会はそもそも至高の神の教え(正)を授ける場であり、人間の愚かさ(悪)を導く場でもあります。正義と悪の中間・混成の場と言って良いでしょう。現状を全否定してまで厳正で非情な処置をとらないことが教会の良い特質と言えます。
例えば、この人が今現在戦士であり、争いや闘争に携わっていること、再びその場に戻らねばならないことは、神の教えには反するかも知れません。
しかし教会はそれを完全に否定せず、彼を彼のままで休ませてやり、守ってあげています。
このような慈悲ある態度も知恵(=コクマー)のひとつと言えるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
この札に特徴的なのは、剣がまったくの灰色(床の1本は黄色)に塗られており、本来の白-青色ではないことです。
これは今、剣が剣の働きをまったくしていないことの表れでしょうか。剣が人の『論理的思考能力』と結び付けられるとすると、なるほど今の彼は『筋道立てて問題解決に向かっている』とは思えません。
※ちなみに手元のカードでは、一番左の剣の、取っ手の天辺の小さな丸の部分だけが、他のものより白っぽく見えます。これは意図的なものでしょうか、単なる色むらでしょうか?微妙で判断できないのでスルーします。
弱っている時に考えないでいるのは、とてもとても難しいことです。そんな時、脳は「さぁ、考えろ、考えないと大変だぞ」とわたしたちを誘惑します。しかし大抵の場合、そこで考えにふけることは不安や恐れを増大させ、わたしたちを余計に疲弊させてしまうだけです。
彼がこうして静かに横たわり、「神への信仰」や「瞑想」に向かい、積極的に考えないでいることは、懸命なことだと言えるでしょう。
しかし、彼の“思考能力=剣”は、剣らしい輝きを世俗的因習の中に…または神の砦の中に一時的におさめられていると言えそうです。
*-*-*-*-*-*-*
【剣6】では、カード上部4割ほどが灰色の空になっています。
手前の船は親子を乗せてどこかへ向かおうとしています。船には6本の剣が刺さっています。たくさんの思いを乗せてここから立ち去る決心をしたのでしょう。
空は灰色に曇っていていかにも憂鬱げです。不安な心、先行きの知れない気持ちがありそうです。
剣は、白黒ハッキリさせるのを好みますから、こんな風に隠れるようにして逃げるのは一番いやでしょう。船に刺さっている剣はかすかに赤い濁りがあります。
しかし、この人たちは逃げざるをえない状況に取り巻かれているのでしょう。戦わずにおくべきだ、角を立てないのが一番だ…というような世俗的な価値観が重視されているようです。正義・不正義よりも大事な『子供の命』がかかっているからかも知れません。
不穏なこの地から立ち去ること…それがこの状況での一番の知恵(=コクマー)だと言えるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
ちなみに今回も『世界シンボル事典』で『船』を調べてみました。
要約するとシンボリズムにおける『船』には以下のような意味があります。
*
1.天体を運ぶもの…特に「太陽」を運んで天を渡らせる(日の出や日没とかかわる)
2.死者を来世に導く…死者を至福者の島へ運ぶ
3.旅や人生をあらわす
*
この中でも「3.旅や人生をあらわす」の中では、*教会がしばしば「人びとを天国へ運ぶ船」に喩えられている*という説明が面白かったです。
*このような「教会としての船」においては、教会の塔はマスト、扶壁は櫂によってあらわされる。また十字架はマストとして示されたり、希望を象徴する錨で表現されたりする*
そう思って【剣6】を見てみると、なんと、剣の取っ手の部分が十字架のマストに見えて来ました。。。
自らの剣をとって抗うのではなく、神が用意した船にのって『旅や人生』を往く、というのが【剣6】の生き方だ、とも読めるなぁと思い、感慨深かったです。
*-*-*-*-*-*-*
今回でやっと「背景が灰色のもの」が一段落しました。長かった…
次回は「(2)背景の一部に灰色の目立つもの」にかかります。
では今後とも、当ブログをどうぞよろしくお願いします。
今回は色の考察【灰色】の第20回、小アルカナ【剣のスート】の灰色部分(1-3)背景が灰色のもの の、つづきです。
灰色部分の解釈を暫定的に以下のように定義しておきます。
カードの画像データは、U.S.GAMES SYSTEMS,INC から出版されているライダー版ウエイトタロットです。
『世界シンボル事典』を参考図書として用います。参考箇所には文頭と文末に『*』をつけてあります。
分類やコメントはあくまでもわたしの主観に基づいています。ご了承の上、お読み下さい。
*-*-*-*-*-*-*
(1)背景が灰色のもの…
【剣1】【剣3】【剣8】【剣4】【剣6】
これらはすべて背景の奥が灰色のものです。灰色の分量や質感が多いもの順に並べています。
*-*-*-*-*-*-*
【剣4】背景の上2/3ほどが灰色、下1/3ほどが黄色で彩色されています。
3本の剣が飾られている部分の壁が、一部明るい色になっています。
壁の左上部は綺麗な色とりどりのステンドグラス窓があり、その下の部分も明るい灰色になっています。
この札の灰色部分は教会内部の壁で、この疲れ果てて休んでいる戦士を外部から守る役割を果たしています。
それを考えるとすぐに、前回の記事で【剣8】の『城砦』について調べた部分を思い出しました。そのまま書き出してみます。
『世界シンボル事典』より要約。
*…たえず戦争や侵略の危険にさらされてきたので、人びとが安全な避難所を求めたり、神への信仰によってその避難所が得られると考えたりしたのも当然のことであった…キリスト者の信仰も、悪魔の追跡をかわせるように、砦や塔で守られた建造物のように堅固でなくてはならないと説いた。…ちなみに16~17世紀、中部ヨーロッパの南東部にトルコ軍が侵攻してきた時には、多くの教会が防御のために改築され、周囲に塀が巡らされたので、神の砦という古くからのイメージが一時的に現実のものとなった。*
【剣4】における“教会の壁=灰色部分”は、まさに『安全な避難所』『神への信仰によってその避難所が得られる』といったキーワードに合致します。
彼は『神の砦』の中で傷と疲れを癒し、生気を養っているのです。
3本の剣が飾ってある壁の一部分が少し明るく彩色されているのには何か意味があるのでしょうか。
『剣』のシンボルには「天上の真実」や「支配権・権力」「殉教」などの象徴的意味がありました。これらは灰色が表わす『世俗・物質的』『不安・見通しの悪さ』と相反します。
剣の部分だけ灰色が薄まっているのは、そこだけ世俗性や不安なども薄まっていると考えられるでしょうか。宗教画が表わされたステンドグラスの下も同様に解釈できそうです。
灰色には「相反するものの中間・混成」の意味もありました。教会はそもそも至高の神の教え(正)を授ける場であり、人間の愚かさ(悪)を導く場でもあります。正義と悪の中間・混成の場と言って良いでしょう。現状を全否定してまで厳正で非情な処置をとらないことが教会の良い特質と言えます。
例えば、この人が今現在戦士であり、争いや闘争に携わっていること、再びその場に戻らねばならないことは、神の教えには反するかも知れません。
しかし教会はそれを完全に否定せず、彼を彼のままで休ませてやり、守ってあげています。
このような慈悲ある態度も知恵(=コクマー)のひとつと言えるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
この札に特徴的なのは、剣がまったくの灰色(床の1本は黄色)に塗られており、本来の白-青色ではないことです。
これは今、剣が剣の働きをまったくしていないことの表れでしょうか。剣が人の『論理的思考能力』と結び付けられるとすると、なるほど今の彼は『筋道立てて問題解決に向かっている』とは思えません。
※ちなみに手元のカードでは、一番左の剣の、取っ手の天辺の小さな丸の部分だけが、他のものより白っぽく見えます。これは意図的なものでしょうか、単なる色むらでしょうか?微妙で判断できないのでスルーします。
弱っている時に考えないでいるのは、とてもとても難しいことです。そんな時、脳は「さぁ、考えろ、考えないと大変だぞ」とわたしたちを誘惑します。しかし大抵の場合、そこで考えにふけることは不安や恐れを増大させ、わたしたちを余計に疲弊させてしまうだけです。
彼がこうして静かに横たわり、「神への信仰」や「瞑想」に向かい、積極的に考えないでいることは、懸命なことだと言えるでしょう。
しかし、彼の“思考能力=剣”は、剣らしい輝きを世俗的因習の中に…または神の砦の中に一時的におさめられていると言えそうです。
*-*-*-*-*-*-*
【剣6】では、カード上部4割ほどが灰色の空になっています。
手前の船は親子を乗せてどこかへ向かおうとしています。船には6本の剣が刺さっています。たくさんの思いを乗せてここから立ち去る決心をしたのでしょう。
空は灰色に曇っていていかにも憂鬱げです。不安な心、先行きの知れない気持ちがありそうです。
剣は、白黒ハッキリさせるのを好みますから、こんな風に隠れるようにして逃げるのは一番いやでしょう。船に刺さっている剣はかすかに赤い濁りがあります。
しかし、この人たちは逃げざるをえない状況に取り巻かれているのでしょう。戦わずにおくべきだ、角を立てないのが一番だ…というような世俗的な価値観が重視されているようです。正義・不正義よりも大事な『子供の命』がかかっているからかも知れません。
不穏なこの地から立ち去ること…それがこの状況での一番の知恵(=コクマー)だと言えるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
ちなみに今回も『世界シンボル事典』で『船』を調べてみました。
要約するとシンボリズムにおける『船』には以下のような意味があります。
*
1.天体を運ぶもの…特に「太陽」を運んで天を渡らせる(日の出や日没とかかわる)
2.死者を来世に導く…死者を至福者の島へ運ぶ
3.旅や人生をあらわす
*
この中でも「3.旅や人生をあらわす」の中では、*教会がしばしば「人びとを天国へ運ぶ船」に喩えられている*という説明が面白かったです。
*このような「教会としての船」においては、教会の塔はマスト、扶壁は櫂によってあらわされる。また十字架はマストとして示されたり、希望を象徴する錨で表現されたりする*
そう思って【剣6】を見てみると、なんと、剣の取っ手の部分が十字架のマストに見えて来ました。。。
自らの剣をとって抗うのではなく、神が用意した船にのって『旅や人生』を往く、というのが【剣6】の生き方だ、とも読めるなぁと思い、感慨深かったです。
*-*-*-*-*-*-*
今回でやっと「背景が灰色のもの」が一段落しました。長かった…
次回は「(2)背景の一部に灰色の目立つもの」にかかります。
では今後とも、当ブログをどうぞよろしくお願いします。
灰色部分の解釈を暫定的に以下のように定義しておきます。
・世俗的、物質的な要素を表わす
・第2のセフィラ「コクマー(知恵)」と対応している(ウィキペディア・生命の樹の記事より)
・相反する2つのものの中間、および混成
・不安、見通しの悪さ、不明瞭さ
・灰色に黒の点々は石造りであることを表わしている。
*石は固く永続性があり「神の力の顕現」の意味もある*
・第2のセフィラ「コクマー(知恵)」と対応している(ウィキペディア・生命の樹の記事より)
・相反する2つのものの中間、および混成
・不安、見通しの悪さ、不明瞭さ
・灰色に黒の点々は石造りであることを表わしている。
*石は固く永続性があり「神の力の顕現」の意味もある*
カードの画像データは、U.S.GAMES SYSTEMS,INC から出版されているライダー版ウエイトタロットです。
『世界シンボル事典』を参考図書として用います。参考箇所には文頭と文末に『*』をつけてあります。
分類やコメントはあくまでもわたしの主観に基づいています。ご了承の上、お読み下さい。
*-*-*-*-*-*-*
(1)背景が灰色のもの…
【剣1】【剣3】【剣8】【剣4】【剣6】
これらはすべて背景の奥が灰色のものです。灰色の分量や質感が多いもの順に並べています。
*-*-*-*-*-*-*
【剣4】背景の上2/3ほどが灰色、下1/3ほどが黄色で彩色されています。
3本の剣が飾られている部分の壁が、一部明るい色になっています。
壁の左上部は綺麗な色とりどりのステンドグラス窓があり、その下の部分も明るい灰色になっています。
この札の灰色部分は教会内部の壁で、この疲れ果てて休んでいる戦士を外部から守る役割を果たしています。
それを考えるとすぐに、前回の記事で【剣8】の『城砦』について調べた部分を思い出しました。そのまま書き出してみます。
『世界シンボル事典』より要約。
*…たえず戦争や侵略の危険にさらされてきたので、人びとが安全な避難所を求めたり、神への信仰によってその避難所が得られると考えたりしたのも当然のことであった…キリスト者の信仰も、悪魔の追跡をかわせるように、砦や塔で守られた建造物のように堅固でなくてはならないと説いた。…ちなみに16~17世紀、中部ヨーロッパの南東部にトルコ軍が侵攻してきた時には、多くの教会が防御のために改築され、周囲に塀が巡らされたので、神の砦という古くからのイメージが一時的に現実のものとなった。*
【剣4】における“教会の壁=灰色部分”は、まさに『安全な避難所』『神への信仰によってその避難所が得られる』といったキーワードに合致します。
彼は『神の砦』の中で傷と疲れを癒し、生気を養っているのです。
3本の剣が飾ってある壁の一部分が少し明るく彩色されているのには何か意味があるのでしょうか。
『剣』のシンボルには「天上の真実」や「支配権・権力」「殉教」などの象徴的意味がありました。これらは灰色が表わす『世俗・物質的』『不安・見通しの悪さ』と相反します。
剣の部分だけ灰色が薄まっているのは、そこだけ世俗性や不安なども薄まっていると考えられるでしょうか。宗教画が表わされたステンドグラスの下も同様に解釈できそうです。
灰色には「相反するものの中間・混成」の意味もありました。教会はそもそも至高の神の教え(正)を授ける場であり、人間の愚かさ(悪)を導く場でもあります。正義と悪の中間・混成の場と言って良いでしょう。現状を全否定してまで厳正で非情な処置をとらないことが教会の良い特質と言えます。
例えば、この人が今現在戦士であり、争いや闘争に携わっていること、再びその場に戻らねばならないことは、神の教えには反するかも知れません。
しかし教会はそれを完全に否定せず、彼を彼のままで休ませてやり、守ってあげています。
このような慈悲ある態度も知恵(=コクマー)のひとつと言えるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
この札に特徴的なのは、剣がまったくの灰色(床の1本は黄色)に塗られており、本来の白-青色ではないことです。
これは今、剣が剣の働きをまったくしていないことの表れでしょうか。剣が人の『論理的思考能力』と結び付けられるとすると、なるほど今の彼は『筋道立てて問題解決に向かっている』とは思えません。
※ちなみに手元のカードでは、一番左の剣の、取っ手の天辺の小さな丸の部分だけが、他のものより白っぽく見えます。これは意図的なものでしょうか、単なる色むらでしょうか?微妙で判断できないのでスルーします。
弱っている時に考えないでいるのは、とてもとても難しいことです。そんな時、脳は「さぁ、考えろ、考えないと大変だぞ」とわたしたちを誘惑します。しかし大抵の場合、そこで考えにふけることは不安や恐れを増大させ、わたしたちを余計に疲弊させてしまうだけです。
彼がこうして静かに横たわり、「神への信仰」や「瞑想」に向かい、積極的に考えないでいることは、懸命なことだと言えるでしょう。
しかし、彼の“思考能力=剣”は、剣らしい輝きを世俗的因習の中に…または神の砦の中に一時的におさめられていると言えそうです。
*-*-*-*-*-*-*
【剣6】では、カード上部4割ほどが灰色の空になっています。
手前の船は親子を乗せてどこかへ向かおうとしています。船には6本の剣が刺さっています。たくさんの思いを乗せてここから立ち去る決心をしたのでしょう。
空は灰色に曇っていていかにも憂鬱げです。不安な心、先行きの知れない気持ちがありそうです。
剣は、白黒ハッキリさせるのを好みますから、こんな風に隠れるようにして逃げるのは一番いやでしょう。船に刺さっている剣はかすかに赤い濁りがあります。
しかし、この人たちは逃げざるをえない状況に取り巻かれているのでしょう。戦わずにおくべきだ、角を立てないのが一番だ…というような世俗的な価値観が重視されているようです。正義・不正義よりも大事な『子供の命』がかかっているからかも知れません。
不穏なこの地から立ち去ること…それがこの状況での一番の知恵(=コクマー)だと言えるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
ちなみに今回も『世界シンボル事典』で『船』を調べてみました。
要約するとシンボリズムにおける『船』には以下のような意味があります。
*
1.天体を運ぶもの…特に「太陽」を運んで天を渡らせる(日の出や日没とかかわる)
2.死者を来世に導く…死者を至福者の島へ運ぶ
3.旅や人生をあらわす
*
この中でも「3.旅や人生をあらわす」の中では、*教会がしばしば「人びとを天国へ運ぶ船」に喩えられている*という説明が面白かったです。
*このような「教会としての船」においては、教会の塔はマスト、扶壁は櫂によってあらわされる。また十字架はマストとして示されたり、希望を象徴する錨で表現されたりする*
そう思って【剣6】を見てみると、なんと、剣の取っ手の部分が十字架のマストに見えて来ました。。。
自らの剣をとって抗うのではなく、神が用意した船にのって『旅や人生』を往く、というのが【剣6】の生き方だ、とも読めるなぁと思い、感慨深かったです。
*-*-*-*-*-*-*
今回でやっと「背景が灰色のもの」が一段落しました。長かった…
次回は「(2)背景の一部に灰色の目立つもの」にかかります。
では今後とも、当ブログをどうぞよろしくお願いします。
今回は色の考察【灰色】の第20回、小アルカナ【剣のスート】の灰色部分(1-3)背景が灰色のもの の、つづきです。
灰色部分の解釈を暫定的に以下のように定義しておきます。
・世俗的、物質的な要素を表わす
・第2のセフィラ「コクマー(知恵)」と対応している(ウィキペディア・生命の樹の記事より)
・相反する2つのものの中間、および混成
・不安、見通しの悪さ、不明瞭さ
・灰色に黒の点々は石造りであることを表わしている。
*石は固く永続性があり「神の力の顕現」の意味もある*
・第2のセフィラ「コクマー(知恵)」と対応している(ウィキペディア・生命の樹の記事より)
・相反する2つのものの中間、および混成
・不安、見通しの悪さ、不明瞭さ
・灰色に黒の点々は石造りであることを表わしている。
*石は固く永続性があり「神の力の顕現」の意味もある*
カードの画像データは、U.S.GAMES SYSTEMS,INC から出版されているライダー版ウエイトタロットです。
『世界シンボル事典』を参考図書として用います。参考箇所には文頭と文末に『*』をつけてあります。
分類やコメントはあくまでもわたしの主観に基づいています。ご了承の上、お読み下さい。
*-*-*-*-*-*-*
(1)背景が灰色のもの…
【剣1】【剣3】【剣8】【剣4】【剣6】
これらはすべて背景の奥が灰色のものです。灰色の分量や質感が多いもの順に並べています。
*-*-*-*-*-*-*
【剣4】背景の上2/3ほどが灰色、下1/3ほどが黄色で彩色されています。
3本の剣が飾られている部分の壁が、一部明るい色になっています。
壁の左上部は綺麗な色とりどりのステンドグラス窓があり、その下の部分も明るい灰色になっています。
この札の灰色部分は教会内部の壁で、この疲れ果てて休んでいる戦士を外部から守る役割を果たしています。
それを考えるとすぐに、前回の記事で【剣8】の『城砦』について調べた部分を思い出しました。そのまま書き出してみます。
『世界シンボル事典』より要約。
*…たえず戦争や侵略の危険にさらされてきたので、人びとが安全な避難所を求めたり、神への信仰によってその避難所が得られると考えたりしたのも当然のことであった…キリスト者の信仰も、悪魔の追跡をかわせるように、砦や塔で守られた建造物のように堅固でなくてはならないと説いた。…ちなみに16~17世紀、中部ヨーロッパの南東部にトルコ軍が侵攻してきた時には、多くの教会が防御のために改築され、周囲に塀が巡らされたので、神の砦という古くからのイメージが一時的に現実のものとなった。*
【剣4】における“教会の壁=灰色部分”は、まさに『安全な避難所』『神への信仰によってその避難所が得られる』といったキーワードに合致します。
彼は『神の砦』の中で傷と疲れを癒し、生気を養っているのです。
3本の剣が飾ってある壁の一部分が少し明るく彩色されているのには何か意味があるのでしょうか。
『剣』のシンボルには「天上の真実」や「支配権・権力」「殉教」などの象徴的意味がありました。これらは灰色が表わす『世俗・物質的』『不安・見通しの悪さ』と相反します。
剣の部分だけ灰色が薄まっているのは、そこだけ世俗性や不安なども薄まっていると考えられるでしょうか。宗教画が表わされたステンドグラスの下も同様に解釈できそうです。
灰色には「相反するものの中間・混成」の意味もありました。教会はそもそも至高の神の教え(正)を授ける場であり、人間の愚かさ(悪)を導く場でもあります。正義と悪の中間・混成の場と言って良いでしょう。現状を全否定してまで厳正で非情な処置をとらないことが教会の良い特質と言えます。
例えば、この人が今現在戦士であり、争いや闘争に携わっていること、再びその場に戻らねばならないことは、神の教えには反するかも知れません。
しかし教会はそれを完全に否定せず、彼を彼のままで休ませてやり、守ってあげています。
このような慈悲ある態度も知恵(=コクマー)のひとつと言えるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
この札に特徴的なのは、剣がまったくの灰色(床の1本は黄色)に塗られており、本来の白-青色ではないことです。
これは今、剣が剣の働きをまったくしていないことの表れでしょうか。剣が人の『論理的思考能力』と結び付けられるとすると、なるほど今の彼は『筋道立てて問題解決に向かっている』とは思えません。
※ちなみに手元のカードでは、一番左の剣の、取っ手の天辺の小さな丸の部分だけが、他のものより白っぽく見えます。これは意図的なものでしょうか、単なる色むらでしょうか?微妙で判断できないのでスルーします。
弱っている時に考えないでいるのは、とてもとても難しいことです。そんな時、脳は「さぁ、考えろ、考えないと大変だぞ」とわたしたちを誘惑します。しかし大抵の場合、そこで考えにふけることは不安や恐れを増大させ、わたしたちを余計に疲弊させてしまうだけです。
彼がこうして静かに横たわり、「神への信仰」や「瞑想」に向かい、積極的に考えないでいることは、懸命なことだと言えるでしょう。
しかし、彼の“思考能力=剣”は、剣らしい輝きを世俗的因習の中に…または神の砦の中に一時的におさめられていると言えそうです。
*-*-*-*-*-*-*
【剣6】では、カード上部4割ほどが灰色の空になっています。
手前の船は親子を乗せてどこかへ向かおうとしています。船には6本の剣が刺さっています。たくさんの思いを乗せてここから立ち去る決心をしたのでしょう。
空は灰色に曇っていていかにも憂鬱げです。不安な心、先行きの知れない気持ちがありそうです。
剣は、白黒ハッキリさせるのを好みますから、こんな風に隠れるようにして逃げるのは一番いやでしょう。船に刺さっている剣はかすかに赤い濁りがあります。
しかし、この人たちは逃げざるをえない状況に取り巻かれているのでしょう。戦わずにおくべきだ、角を立てないのが一番だ…というような世俗的な価値観が重視されているようです。正義・不正義よりも大事な『子供の命』がかかっているからかも知れません。
不穏なこの地から立ち去ること…それがこの状況での一番の知恵(=コクマー)だと言えるでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
ちなみに今回も『世界シンボル事典』で『船』を調べてみました。
要約するとシンボリズムにおける『船』には以下のような意味があります。
*
1.天体を運ぶもの…特に「太陽」を運んで天を渡らせる(日の出や日没とかかわる)
2.死者を来世に導く…死者を至福者の島へ運ぶ
3.旅や人生をあらわす
*
この中でも「3.旅や人生をあらわす」の中では、*教会がしばしば「人びとを天国へ運ぶ船」に喩えられている*という説明が面白かったです。
*このような「教会としての船」においては、教会の塔はマスト、扶壁は櫂によってあらわされる。また十字架はマストとして示されたり、希望を象徴する錨で表現されたりする*
そう思って【剣6】を見てみると、なんと、剣の取っ手の部分が十字架のマストに見えて来ました。。。
自らの剣をとって抗うのではなく、神が用意した船にのって『旅や人生』を往く、というのが【剣6】の生き方だ、とも読めるなぁと思い、感慨深かったです。
*-*-*-*-*-*-*
今回でやっと「背景が灰色のもの」が一段落しました。長かった…
次回は「(2)背景の一部に灰色の目立つもの」にかかります。
では今後とも、当ブログをどうぞよろしくお願いします。
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