16_矛盾と対立を治める平和の知恵【2･女教皇（The Priestess）】

　今回はカードナンバー【２】、女教皇のカードです。

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【2･女教皇（The Priestess）】

◆おおまかな意味：
精神性、本能的な知恵、洞察力、受動的、批判的、冷淡、情緒不安定、相反する二つの力　など

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　澄んだ水のような青色が印象的なカードです。彼女は書物を手に静かに座っています。黒と白の２本の柱の間にざくろ模様のタペストリー…その向こうはどうやら海のようです。

　黒の柱には闇を意味する＜ボアズ＞のＢの文字が描かれ、白の方には光を意味する＜ヤキン＞のＪの文字が描かれています。彼女が座っているのはソロモン王が建設したエルサレム神殿の中のようです。神の威光を奉る神殿の中で彼女は一体何を思い静かに座っているのでしょうか。

　ボアズとヤキンの柱の間には、赤く色づいたざくろ模様のタペストリーがかけられています。
　ざくろは多産・女性器の象徴…闇と光という相反し対立する二つの力を繋ぎ、調和をもたらすのは、受け入れて実らせる女性性の力なのだと言えるのかも知れません。

　また彼女の足元には欠けた月のオブジェが置かれています。周期的に満ち干する女性の生理や、月の満ち干に相応して揺れる情動をもあらわしているようです。彼女の衣服は波打ち、足元で水の流れと同化しているように見えます。彼女は掟による冷徹な判断者ではなく、女性的な情感を通して物事を受け止め、揺れる心を押し殺しながらも静かに冷静でいようとする健気さも持っているのです。

　光と闇、冷静さと揺れやすい情緒、知性と本能、そのような矛盾し対立する二つの力のバランスを保つために彼女は静かにじっと座っているのでしょうか。そこには、そこはかとない緊張が見られます。

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　見たところ静かで動きがないさま、知恵・洞察力が優れている状態、物事を受動的に受け入れながら冷静に対処する様子、相反するものの対立と緊張の状態などを表します。

　女性の象徴カードとしても使いますが、男性の人柄としてもよく出現するカードです。神経質で感じやすく洞察力のするどい人柄を表しています。躁鬱やヒステリックな性質を持つ人も多く、気分の状態が良くないと何かと批判的になる傾向があります。

　彼女は冷静そうに見えますが、動かずじっとしているのはリラックスしているからではなく、緊張状態にあるからです。彼女はまず受け止めます。それも深く受け止めます。
　知識にも優れ、深い海のような潜在意識から汲み取る本能の知恵にも恵まれている彼女は洞察力がするどく、彼女の発する言葉や、態度や、問題の解決策などは自然と的を得たものになります。
　
　【愚者】の冒険からはじまった旅は、人々との交流や生活の創造に至り【魔術師】、今さまざまな矛盾や対立があることを知って、それを治める深い知恵【女教皇】に遭遇しました。
　矛盾する価値観や対立する力を治め、実りをもたらすことが出来るのは、それらをまず受け入れる受容性であること、バランス保つ姿勢であることが伺えます。

　潮や月の干満が宇宙の力の反映であるように、女性である彼女の心と身体もまた宇宙の力の影響を強く受けているのでしょう。彼女の深い知恵は宇宙にも根ざしているのです。カード全体の青色は宇宙の力の色でもあるのです。

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　実占では特に独身女性、プラトニックな恋愛関係、生理不順やホルモンバランスの状態と結びつけて見ることもします（ヒタチの場合）。

　繊細で傷つきやすいのにそれを押し殺して生活していることが多く、批判的で口うるさい人と周囲から思われていたりで損をしている方がよく見られます。
　物事の状態としては、一見動きがないようでも何か強い力が加わるとバランスが崩れやすいと見ます。

　逆位置など否定的な意味合いの時には、冷淡な態度や人を見下すような意識、神経質でいらいらした状態、批判的であるなどが考えられます。

　しかし彼女は本来、矛盾し相反するものの双方を受け入れるような並外れた優しさと深さの持ち主なのです。彼女はその引き裂かれる矛盾を受け止めバランスを取りながら、誰もが心穏やかに、温かい心を持って暮らせる世界を願い、実現したいと思っているのではないでしょうか。

　このカードは

　相反し矛盾する二つの力を統べる知恵、受け入れる心、崇高な精神、そして満ち干する身体と心

　を表していると思います。

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