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大阪の占い師 サワツ純子 のタロットブログです。たまに理屈っぽい日常のああだこうだも入っています。
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 今回から、色の考察【灰色】をやっていきたいと思います。
 まず、灰色がどのような要素を表わしているのかについてあらかじめ少し考えてみたいと思います。

 通常、タロットの灰色を読む時にわたしは「世俗的な価値観」や「物質的な要素」が強調されていると見ていました。
 その他、不安や不明瞭さを表わすと見ていました。

 生命の樹との対応を見ると、灰色は第2のセフィラ「コクマー(知恵)」で数字は2。宝石はトルコ石、惑星は海王星、男性原理を象徴する、となっています(ウィキペディア・生命の樹の記事より)

 また単純に灰色と言えば「白と黒の中間」というのが思い浮かびます。白と黒は二元原理・二項対立を最も端的に象徴しています。光と闇、陰と陽、正義と悪というのもありそうです。
 灰色はその中間なので、物事の境界や混成を表わすとも考えられます。

 とりあえず暫定的に
 灰色は、不明瞭性、不安、世俗的価値観、物事の中間や境界を表わすと考えて解釈していきます。

 カードの画像データは、U.S.GAMES SYSTEMS,INC から出版されているライダー版ウエイトタロットと、Merrimack Publishing Corp. から出版されたウエイト版タロットです。

 分類やコメントはあくまでもわたしの主観に基づいています。ご了承の上、お読み下さい。
 また今回から『世界シンボル事典』をアイテム解釈の参考図書に加えます。参考箇所には文頭と文末に『*』をつけてありますのでご了承ください。

*-*-*-*-*-*-*

1・大アルカナの背景の灰色
 (1)灰色の背景に分類されるもの(背景が全体的に灰色であるもの)
ライダー版画像

【5・法王】だけが屋内で、灰色は建造物の色です。
【9・隠者】だけ灰色に青みがかっています。(ちなみにMerrimack版では青色背景です)
【12・吊された男】【13・死神】【14・節制】は連番になっています。

*-*-*-*-*-*-*

【5・法王】
 寺院の中の法王が描かれています。背景の建物が全面的に灰色です。柱の黒い点々がこれは石柱なのだなと思わせます。*石は固く永続性があり「神の力の顕現」の意味もあるそうです。*

 法王は神の知識を持ち世俗に活かす人なので「コクマー(知恵)」の色が強調されているのもうなづけます。洗礼・結婚・葬儀の際には人と神とを結びつけ、争いごとの時には神の法を説き、平和と協調に導きます。
 教会の力は世俗としっかり結びついてこそ価値があるのかも知れません。

 神と世俗のはざまに立っているという点で物事の中間や境界というキーワードが当てはまります。教会では対立者を調停するので、物事をあいまいにしてしまう作用も表れそうです。神の教えは、どちらが正しいと断罪するのではなく、両者が許しあい譲り合って自ら平和を選ぶことを勧めるでしょう。

 この法王は建物の中にいます。灰色は建物の色であり、法王の衣服には使われていません。彼自身は生身の人間であり、はっきりした好き嫌いや偏った意見も持ちうるのでしょう。神の権威の中にある間だけその力を発揮することが出来るのかも知れません。

 平和と協調性、保守的で革新を嫌う、学校・病院ほか公共施設、先生・協力者・仲介者、知識・知恵・アドバイスなどがキーワードとして思い浮かびます。
 対立や争いを好まないので、万事はっきりしないとか曖昧にごまかされることがあるかも知れません。攻撃を表に出さず裏で処理すると考えると、執着心や嫉妬や意地悪などへと発想が広がりそうです。非常に人間的ですね。


【12・吊された男】
 灰色背景の中に逆さに吊るされた男が描かれています。T字型の木に吊るされていること、男の頭頂部が光っていることが分かりますが、他の情報がありません。背景に奥行きがないので時間の経過も分かりません。ただ一面的にベタッと灰色が塗られているのみです。

 逆さまに吊られているのですから不安というキーワードがまず当てはまりそうです。これからどうなるのか…何故こうなったのかも彼には分かっていない(=不明瞭性)かも知れません。時間の情報も背景の具体的な情報も描かれていないからです。

 このカードは犠牲や献身と結びついています。優しすぎて損をしたり他人につけこまれる状況を表わすことが多いです。お金を貢いだり、不当に働かされたり、しんどい役割を押し付けられたり、一方的に我慢させられたりといったことがあります。
 本人は「自分がしなければ、この人が困る、みんなが困る」と思っていることが多いです。ですからしんどくてもその役割を投げ出すことが出来ず、不服に思っているケースが多いという印象です。

 本人は精神的に高尚な動機で役割を引き受けているのですが、それによって周囲の人たちは物質的な得をしていると言えそうです。彼の衣服は精神性と向上心を表わす青色です。髪の色は金髪で美しく豊かです。

 彼とは正反対に、周囲の状況は俗っぽくてゲンキンなのでしょう。彼ひとりに犠牲を押し付けるのは周囲の人たちも不安があるからかも知れません。彼が犠牲になっていることに気付かない、精神的な不明瞭さ、鈍感さがあるとも考えられます。

 ただ、カードには誰も、何も、描かれていません。俗っぽくゲンキンな環境の中では精神的で心の清い人が犠牲になる、という図式は『時代や場所を問わない普遍的なこと』だと言えそうです。

 灰色を生命の樹の「コクマー(知恵)」と結びつけて考えると、このように誰かを犠牲にすることもある意味「人の生きる知恵」なのだということでしょうか。ちょっと世知辛いですね。


【13・死神】
 死神が乗った白馬の足元から奥にかけて人物や地形が細かく描かれており、その奥が灰色で塗られています。手前が『死』、奥が『誕生・再生』を表わすとすれば、その二項対立を覆うような灰色の空はここが生と死の狭間であることを意味しているのかも知れません。

 死に不安はつきものですし、意識は不明瞭になります。ここまでは灰色のキーワードとして設定した言葉が当てはまりますが、『世俗的』『物質的』というのはどうでしょうか。死は物質である身体を失い、誕生・再生は逆にそれを得るわけですから、生と死の差は「物質性の有る無し」がポイントになります。そういう意味では物質性が強調されていると言えるかも知れません。

 世俗的というキーワードを【12・吊された男】のケースと同じように考えてみると、【13・死神】のカードにおける「生と死」は、世俗的な世界で起こっている、と表現出来そうです。つまり【13・死神】のカードは本当に人が死ぬことを表わしているわけではなく、この現実世界での「具体的な物事の生死」のことだよ、と言っているのではないでしょうか。

 タロットの教科書ではたいてい、この【13・死神】のカードは実際の人の死を表わしているわけではないと書いてあります。
 ある物事が実体を失ったり(死)、再び実体を得たり(再生)…ということを、このカードは表わしていると言えそうです。

 また、生と死の原理の中に見出すべき知恵(=「コクマー」)があると言えるかも知れません。


【14・節制】
 天使の足元に水があり、奥には緑の土地や青い山が描かれています。素敵な絵のカードなのに背景は灰色です。

 【14・節制】は錬金術のカードとして有名です。天使の足元と手元の、左足はに置かれ、胸にはの元素記号『△』が示されています。翼はをおこしていることでしょう。カード中に四大元素すべてが描きこまれています。この世界を構成している四つの元素を自在にあやつり混成して、偉大な術を成し遂げる…というような意味が読み取れます。

 *錬金術は、硫黄と水銀を精錬して黄金を創ることを目指しています。硫黄と水銀は錬金術における二元原理を表わしています*。錬金術のカードである【14・節制】の灰色はやはり二つの要素を混成するという意味を持っているようです。
 もちろん高度な知恵ということで「コクマー(知恵)」の反映も含まれるでしょう。

 このカードは健康とコミュニケーション、飲食やお金など生活態度に関する調整を主に表わすと見ています。暴飲暴食や夜更かしなど生活リズムの乱れがないか。遊びすぎや無駄遣いがないか。人間関係がうまくいっているか…。
 これらの要素はすべて実生活におけることです。思考ではなく行為に属し、聖なることでなく世俗的なことです。【12・吊された男】と【13・死神】で当てはまった図式がここでも適用できます。

 このような調整や節約・抑制が必要となるのは、即ち『油断できない状況の中にいる』と言える気がします。その不安や、見通しのきかなさも灰色の意味に含まれているのでしょう。


【9・隠者】
 さて、このカードは他4枚の灰色と色みがまったく違います。かなり青みがかっているせいで少し暗く見えます。
 灰色という世俗的・現実的な要素に、青の精神性と向上心が加味されると考えるのがシンプルですっきり来ます。

 まず隠者ということで「コクマー(知恵)」の要素はぴったりです。彼は実に「コクマー(知恵)」の灰色の衣を全身にまとっています。
 その知恵は世俗的・現実的でなおかつより良い(=向上を目指す)結果を求める人たちに向けられるのでしょう。

 同じ知恵を活かすのでも【9・隠者】と【5・法王】とでは少し違うようです。
 【5・法王】は教会の知恵に従った保守的・伝統的で権威ある方策を求められます。それは人生の決まりきったイベント(洗礼・結婚・葬儀等)や、よくある状況の時に必要とされます。
 【9・隠者】では彼の豊富な経験と知恵による、一歩先を行くような方策を求められます。なぜなら【9・隠者】は、どうすればいいかちょっと簡単には分からないような問題に対して知恵を与え導く人だからです。彼は人里から離れて一人で暮らしています。わざわざそこまで尋ねていって知恵を借りねばなりません。ありふれた方法では解決できないような問題がそこにあるのでしょう。もちろん人々の不安混乱も深いはずです。それが背景の暗さに反映していると考えられます。

 また【5・法王】は「神・聖なるもの」と「人・世俗的なもの」との間にありました。【9・隠者】では「経験・過去」と「創造と向上・未来」かも知れませんし、「隠遁・孤独の暗闇」と「導き・知恵の光」かも知れません。このカードの色は特異で他に同様のものがありません。*隠者の知恵は祈祷や幻視なども含まれるようで*、【5・法王】と同様に「現実」と「霊的なもの」という対比も考えられそうです。いずれにせよ【9・隠者】の灰色は「二項対立の中間や混成」というシンプルなものではなく、3つも4つも要素が入り混じった複雑なものだという意味を含んでいるように思われます。

*-*-*-*-*-*-*

 今回は、灰色の意味を探りながら5枚の大アルカナについて考えてみました。
 次回はカード中の比較的目立つ灰色部分についてチェックしていきたいと思います。

 今後とも当ブログをよろしくお願いします。

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