最新記事
【雑談】上京準備の日々
(09/23)
【雑談】自分の得意な尺度を自由に採用するのがいいですね
(09/11)
【雑談】抽象的なお話(?)
(09/02)
【雑記】ブログ更新をお休みしました&東京出張について
(08/21)
カテゴリー
アーカイブ
カレンダー
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
最新コメント
[02/27 グリーン]
[02/26 ヒタチ]
[02/20 グリーン]
[10/24 グリーン]
[10/23 ヒタチ]
最新トラックバック
ブログ内検索
P R
アクセス解析
大阪の占い師 サワツ純子 のタロットブログです。たまに理屈っぽい日常のああだこうだも入っています。
長文OK・お暇な方のみお読み下さいませ。(・∀・)サワツ純子
※各ブログ記事へのインデックスを作ってみました。良ければご利用ください※
【宣伝】
興味のある方はどうぞお越しくださいませ。
長文OK・お暇な方のみお読み下さいませ。(・∀・)サワツ純子
※各ブログ記事へのインデックスを作ってみました。良ければご利用ください※
【宣伝】
興味のある方はどうぞお越しくださいませ。
今回はカードナンバー【20】、審判のカードです。
*-*-*-*-*-*-*
【20・審判(Judgement)】
◆おおまかな意味:
再生、目覚め・気づき、自由、解放、物事がハッキリする、知らせがある、良い結果が出る、報われる、精神的な刷新 ほか
*-*-*-*-*-*-*
まず目に入るのは上部に大きく描かれた天使ガブリエルの姿です。彼は雲から湧き出でて赤い十字の旗がついたラッパを吹き鳴らしています。下では人々が灰色の冷たい棺おけから飛び出して、ガブリエルの知らせを歓迎しているようです。
人々の肌は生気がありません。棺おけから出てきたのですから彼らは死者だったのでしょう。これは聖書の『最後の審判』の場面なのでしょうか。
『最後の審判』では、世界の終わりに神があらゆる死者たちを甦らせ、永遠の命を与えられる者と地獄行きになる者とを分ける裁きを下すそうです。この人々は喜んでいますが、裁きの結果がどうであれ、きっと長い間狭い棺おけの中で不自由だったことから解放されて、嬉しいのでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
実占では、結果がはっきりする、心がスッキリするような気づきがある、何かの知らせがある、報われる、新しい気持ちでやり直せる、などと読んでいます。
逆位置の場合は、良くない結果が出る、状況がはっきりしない、気持ちに区切りがつかない、などと読んでいます。
共通する要素として結果や判断がはっきりするかしないか、というポイントに注目しています。またその決着の結果は主に質問者の『心』に作用すると考えています。例えばはっきりと目に見える結果が現われなくても、何かの小さな兆しから気づきを得て、生まれ変わったように心が晴ればれとするようなケースも考えられます。
再生や復活の意味合いから、だめになったと思っていたものが甦るという解釈も出来ます。展開の“最終結果”の位置にこのカードが出現すると一段と意味が強調される印象があります。
また天使ガブリエルが知らせのラッパを吹いていることから、知らせが来る、情報が知れ渡るという解釈もあります。音が伝わるスピードは非常に速いことから、このカードが表わす事柄は素早くやって来るとイメージできます。
*-*-*-*-*-*-*
天使ガブリエルは「知らせを伝える」役割を負っているということです。多くの宗教画で描かれている「受胎告知」(イエスの受胎をマリアに知らせる場面を描いたもの)にも天使ガブリエルが描かれています。ガブリエルはヨハネの誕生も伝えており、神の言葉を伝えるメッセンジャーという呼び名はピッタリです。
このカードでガブリエルが吹いているラッパには赤い十字がついています。やはり聖書に関する宗教画を調べてみると、15世紀中ごろのルネサンス期、『キリストの復活』場面を描いたものの幾つかに、復活して棺おけから出てきたイエスが赤十字の旗を手にしているものが見られます。
(※アンドレア・デル・カスターニョ/1447年『最後の晩餐』上部左、ピエロ・デッラ・フランチェスカ/1463-65年『キリストの復活』・メイコイワモト/福井洋一のDolceVitaさんの記事内容を参考にさせていただきました)
ガブリエルが手にしているラッパの赤十字は『キリストの復活』のしるしなのでしょうか。または『復活』そのものを象徴しているのかも知れません。このカードでガブリエルはあらゆる死んだ人々に『イエスは復活しました!』と伝えているのであり、『イエスが復活した以上、心正しい善き人々が報われ、救済される時がやってきましたよ!』と知らせているように思われます。
このカードがもたらしてくれる『知らせ』は神からのものであり、質問者の行く末や心にとって重要で決定的な意味を持つものと考えられそうです。またこのカードによる知らせは、質問者が認めたくない、受け入れ難いものである可能性も多々あります。単に結果が出るとか、何かが知らされるだけならば他のカードでも成され得ますが、その知らせが『神からのメッセージ』であることに、特別な意味があるような気がします。
*-*-*-*-*-*-*
特に実占では、恋愛の終わりを示唆する役割を担いやすい印象があります。終わりを受け入れたくない・まだ可能性があると思いたい質問者に対して、「最終結果」や「相手の気持ち」など重要な位置にこのカードの逆位置をよく見るような気がします。もちろん周囲のカードによって『恋は煮え切らないまま決着がつかない』=絶対的な終わりではない、という解釈も可能ですが…はっきり決着が知らされない状況はあれど、恋そのものの進展は難しいな、と思わされます。
せっかくやってきている『知らせ』に対してきちんと耳を傾け、勇気を持って心に受け入れることが出来るか否か…それによって状況の復活の可能性が出てくるカードだと思います。このカードは状況そのものよりも質問者の心や精神状態に及ぼす影響の方が大きいように思われるのです。あるひとつの結果を受け入れてこそ、そこからはじまる別の可能性を追いかけることが出来るのであり、『終わっていない状況』に執着していたのではどのような道にも進むことが出来ません。
『神からのメッセージ』と思えばこそ、受け入れ難い知らせでも受け入れられる。そして受け入れてみた時に正しく審判が下され、思わぬ良い結果をもたらす可能性が生まれます。これこそ、このカードがもたらす復活であり、再生です。
カードに描かれている棺おけは水に浮かんでいるようにみえます。通常、棺おけは土中に埋められているものです。事実にそって正しく描かれていないということは、この審判が現実の世界で本当に死んだ人たちを生き返らせるわけではないことを示していると思います。このカードの審判や復活は、言わば『比喩』なのです。
棺おけは、水…情動…心に浸かっています。この死んだ人たちは心の中に閉じ込められて蓋をされ死んでしまった、思いや気づき達なのかも知れません。これらの死んだ思いたちは神の知らせによって復活します。閉じられた蓋は開き、表に現われます。押し込められた無念や諦め、願いや愛は報われて天上へ昇っていくでしょう。
心の中に隠された思いや気づきを囚われから解放してやれば、質問者の心は目覚め、本当の生きた可能性を見つめることが出来るでしょう。そして生まれ変わったような、すっきりとした気持ちになれるでしょう。このカードはそのきっかけを知らせてくれるのだと思います。
*-*-*-*-*-*-*
前回【19・太陽】についての記事の中でわたしは、【19・太陽】で転生した吊るされた男の魂が【20・審判】で祝福を受ける…と書きました。その時には安易にそのように考えていたのですが、公開した直後からすぐに「違うのでは…?」と思うようになりました。
《愚者=吊るされた男=太陽で転生した子供》は、ある一人の人間だと同時に、あらゆる人間でもあると考えられます。とある一人の魂が祝福を受けるのではなく、あらゆる魂が何度も繰り返して生き、そして何度も死に、世界の終わりで再生せられ、審判を受ける、というストーリー展開の方がわたしのイメージにとって自然だと思われてきました。
つまり【0・愚者】から【19・太陽】までは『あるひとつの魂』を追い、【20・審判】と【21・世界】の2枚のみは『世界の終わり』と『世界そのもの』についてのカードではないかと思えてきたのです。『世界の終わり』とは、ひとつのアイオーン・あるいは2千年紀の区切りであるかも知れません。そう考えた時、クロウリーのトートタロットではまさしく【20・審判】に当たるカードが【20・永劫(The Aeon)】となっていることに思い当たりました。
わたし自身は占いにクロウリーのトートタロットも使用しますが、その教義について精通しているとはとても言えません。ただ、ウェイト版のこのカードについてつきつめて考えた時に、トートタロットとの思わぬ繋がりを見出したことで、この新しい考え方がより妥当なものであるように思えてきました。
これらのことは単に、わたし個人が勝手にタロットについて巡らせている思いを書いているにすぎません。見当違いのイメージかも知れませんが、タロットが『あるひとつの魂』と『あらゆる魂』について、唯一無二の自分としての視点と、生命全体からの視点両方から描いていることには、神秘主義の底流に流れる巨きな愛を感じます。
*-*-*-*-*-*-*
さて、このようなモチーフで描かれているカードの性質から考えてみれば、【20・審判】のカードは一種の『最終的な限界』と『次元の転換による突破』を示していると言える気がします。
聖書の世界観では「最後の審判」はイコール『この世の終わり』です。これが本当に最後の最後であり、続きはありません。
【13・死神】のカードはひとつの身体・ひとつの魂の死であり後に転生が待っていますが、『最後の審判』ではあらゆる死者が生き返らせられて最後の裁きを受けます。天国行きか地獄行きか、決定すれば未来永劫そのままです。未来永劫ということはすなわち『時間をなくす』に等しいことです。つまり、ハッピーエンドだろうとバッドエンドだろうと、あらゆる意味で『もう終わり』なのです。
『終わり』に際してわたしたちが出来ることは一体何なのでしょうか。その答えこそが、このカードがわたしたちにもたらしてくれる福音であると思います。みなさんは『終わり』にあたってどのようなことを思い浮かべるでしょうか。
例えば、太陽が爆発し、地球が無くなり、自分が死に、自分以外の人も同じように全員が死んでしまい、後に何も残らないのだとしたら…いや、あらゆるものがすべて無くなってしまっても、物質としては砕け散ってしまったとしても、はじめから何も起こらなかったのと同じ、というようなことは人間の心としては受け入れられない。。それでは今まで生きてきた自分や、あらゆる時代の全人類、全生物の軌跡、栄華、生命、魂、心、愛はどうなるのだ?過去と未来が錯綜する、未知の次元でそれは在り続け、生き続け、循環し続けているのではないだろうか?時空を超えたところに、あらゆる輝きが集まって光り続けている宇宙があるのではないだろうか?
みなさんはどのようにお考えになったでしょう。『本当の終わり』を思い浮かべたとき、次元を超えたもの、物質を超えたもの、永遠の何か、確かな存在、というようなものに心が飛翔したのではないでしょうか。
この【20・審判】のカードがもたらしてくれるのは、このような『精神の飛翔』なのだとわたしは思います。
たとえばある愛の終わり。受け入れたくない、終わりが怖い。しかし…今まであった愛、心に抱いた思いの輝き、確かな存在感、費やした情熱や時間や人生そのもの…これらのものがまったくの無になるわけではないことを、信じることは出来ないでしょうか。結果としては二人の恋のドラマは終わってしまうのかも知れない。けれどもそれは人生に対する悪や破壊ではない。それはむしろ愛が現実のものであったという証明なのです。愛が、物質的なものから、別の次元へと移行したということなのです。終わることでその愛は完全になり、もうそれ以上損なわれることはなくなるのです。
*-*-*-*-*-*-*
このようなことは物質的な現実世界に生きていれば『欺瞞』としか思えないでしょう。喪失は喪失であり、痛みは痛みであり、傷は傷で、それらはわたしたちの心を惨めにします。
しかし愛とはそもそも物質的なものではありません。それは霊的な次元のものであり、永遠の世界に属するものです。ですからもし『終わり』があなたの前に現われたのなら、その知らせを受け取ったのなら…
すみやかに心を永遠の世界に飛翔させれば良いのです。時空を超えた、同時的な宇宙へ。今、それが求められています。ガブリエルは赤い十字の旗と共に現われて、永遠の存在が復活したことを告げています。わたしたち人間がいかに物質に頼って生きていようとも、今は心も愛も、その本来の世界…永遠の次元に預ける時なのです。
それができた時、なくしたと思ったものは全て自分の手に還っていることを知るでしょう。永遠の次元で、大切なものはまったく傷つけられることなく、損なわれることなく輝き続けることを知るでしょう。
その時同時に、現実の、物質の世界にも変化が起こっているのを知ることになります。見た目はどこにも変化がないのに、それでも確かに世界が新しくなっている。吸い込む空気が新しくなっている。わたしたちはそれを『気づき』と呼びます。『気づき』が起こった時、わたしたちは心が自由と力を取り戻したことを知り、救われたのだと感じます。
『精神の飛翔』が成すこと…【20・審判】のカードがもたらしてくれる福音とは、復活と再生とは、このようなものです。物質の世界のみを信じ頼る人にはその知らせは決してやって来ず、福音を受け取ることは出来ないでしょう。
けれどもそのかたくなな心を本来の自由な世界に委ねて、永遠なるものを信じさえすれば『知らせ』はたちどころにやって来ます。復活と再生はありとあらゆる時空に、永遠の何かが信じられている心の上に、いつでも現われるのです。
*-*-*-*-*-*-*
このカードは
を表していると思います。
コメントはBBSへどうぞ
*-*-*-*-*-*-*
【20・審判(Judgement)】
◆おおまかな意味:
再生、目覚め・気づき、自由、解放、物事がハッキリする、知らせがある、良い結果が出る、報われる、精神的な刷新 ほか
*-*-*-*-*-*-*
まず目に入るのは上部に大きく描かれた天使ガブリエルの姿です。彼は雲から湧き出でて赤い十字の旗がついたラッパを吹き鳴らしています。下では人々が灰色の冷たい棺おけから飛び出して、ガブリエルの知らせを歓迎しているようです。
人々の肌は生気がありません。棺おけから出てきたのですから彼らは死者だったのでしょう。これは聖書の『最後の審判』の場面なのでしょうか。
『最後の審判』では、世界の終わりに神があらゆる死者たちを甦らせ、永遠の命を与えられる者と地獄行きになる者とを分ける裁きを下すそうです。この人々は喜んでいますが、裁きの結果がどうであれ、きっと長い間狭い棺おけの中で不自由だったことから解放されて、嬉しいのでしょう。
*-*-*-*-*-*-*
実占では、結果がはっきりする、心がスッキリするような気づきがある、何かの知らせがある、報われる、新しい気持ちでやり直せる、などと読んでいます。
逆位置の場合は、良くない結果が出る、状況がはっきりしない、気持ちに区切りがつかない、などと読んでいます。
共通する要素として結果や判断がはっきりするかしないか、というポイントに注目しています。またその決着の結果は主に質問者の『心』に作用すると考えています。例えばはっきりと目に見える結果が現われなくても、何かの小さな兆しから気づきを得て、生まれ変わったように心が晴ればれとするようなケースも考えられます。
再生や復活の意味合いから、だめになったと思っていたものが甦るという解釈も出来ます。展開の“最終結果”の位置にこのカードが出現すると一段と意味が強調される印象があります。
また天使ガブリエルが知らせのラッパを吹いていることから、知らせが来る、情報が知れ渡るという解釈もあります。音が伝わるスピードは非常に速いことから、このカードが表わす事柄は素早くやって来るとイメージできます。
*-*-*-*-*-*-*
天使ガブリエルは「知らせを伝える」役割を負っているということです。多くの宗教画で描かれている「受胎告知」(イエスの受胎をマリアに知らせる場面を描いたもの)にも天使ガブリエルが描かれています。ガブリエルはヨハネの誕生も伝えており、神の言葉を伝えるメッセンジャーという呼び名はピッタリです。
このカードでガブリエルが吹いているラッパには赤い十字がついています。やはり聖書に関する宗教画を調べてみると、15世紀中ごろのルネサンス期、『キリストの復活』場面を描いたものの幾つかに、復活して棺おけから出てきたイエスが赤十字の旗を手にしているものが見られます。
(※アンドレア・デル・カスターニョ/1447年『最後の晩餐』上部左、ピエロ・デッラ・フランチェスカ/1463-65年『キリストの復活』・メイコイワモト/福井洋一のDolceVitaさんの記事内容を参考にさせていただきました)
ガブリエルが手にしているラッパの赤十字は『キリストの復活』のしるしなのでしょうか。または『復活』そのものを象徴しているのかも知れません。このカードでガブリエルはあらゆる死んだ人々に『イエスは復活しました!』と伝えているのであり、『イエスが復活した以上、心正しい善き人々が報われ、救済される時がやってきましたよ!』と知らせているように思われます。
このカードがもたらしてくれる『知らせ』は神からのものであり、質問者の行く末や心にとって重要で決定的な意味を持つものと考えられそうです。またこのカードによる知らせは、質問者が認めたくない、受け入れ難いものである可能性も多々あります。単に結果が出るとか、何かが知らされるだけならば他のカードでも成され得ますが、その知らせが『神からのメッセージ』であることに、特別な意味があるような気がします。
*-*-*-*-*-*-*
特に実占では、恋愛の終わりを示唆する役割を担いやすい印象があります。終わりを受け入れたくない・まだ可能性があると思いたい質問者に対して、「最終結果」や「相手の気持ち」など重要な位置にこのカードの逆位置をよく見るような気がします。もちろん周囲のカードによって『恋は煮え切らないまま決着がつかない』=絶対的な終わりではない、という解釈も可能ですが…はっきり決着が知らされない状況はあれど、恋そのものの進展は難しいな、と思わされます。
せっかくやってきている『知らせ』に対してきちんと耳を傾け、勇気を持って心に受け入れることが出来るか否か…それによって状況の復活の可能性が出てくるカードだと思います。このカードは状況そのものよりも質問者の心や精神状態に及ぼす影響の方が大きいように思われるのです。あるひとつの結果を受け入れてこそ、そこからはじまる別の可能性を追いかけることが出来るのであり、『終わっていない状況』に執着していたのではどのような道にも進むことが出来ません。
『神からのメッセージ』と思えばこそ、受け入れ難い知らせでも受け入れられる。そして受け入れてみた時に正しく審判が下され、思わぬ良い結果をもたらす可能性が生まれます。これこそ、このカードがもたらす復活であり、再生です。
カードに描かれている棺おけは水に浮かんでいるようにみえます。通常、棺おけは土中に埋められているものです。事実にそって正しく描かれていないということは、この審判が現実の世界で本当に死んだ人たちを生き返らせるわけではないことを示していると思います。このカードの審判や復活は、言わば『比喩』なのです。
棺おけは、水…情動…心に浸かっています。この死んだ人たちは心の中に閉じ込められて蓋をされ死んでしまった、思いや気づき達なのかも知れません。これらの死んだ思いたちは神の知らせによって復活します。閉じられた蓋は開き、表に現われます。押し込められた無念や諦め、願いや愛は報われて天上へ昇っていくでしょう。
心の中に隠された思いや気づきを囚われから解放してやれば、質問者の心は目覚め、本当の生きた可能性を見つめることが出来るでしょう。そして生まれ変わったような、すっきりとした気持ちになれるでしょう。このカードはそのきっかけを知らせてくれるのだと思います。
*-*-*-*-*-*-*
前回【19・太陽】についての記事の中でわたしは、【19・太陽】で転生した吊るされた男の魂が【20・審判】で祝福を受ける…と書きました。その時には安易にそのように考えていたのですが、公開した直後からすぐに「違うのでは…?」と思うようになりました。
《愚者=吊るされた男=太陽で転生した子供》は、ある一人の人間だと同時に、あらゆる人間でもあると考えられます。とある一人の魂が祝福を受けるのではなく、あらゆる魂が何度も繰り返して生き、そして何度も死に、世界の終わりで再生せられ、審判を受ける、というストーリー展開の方がわたしのイメージにとって自然だと思われてきました。
つまり【0・愚者】から【19・太陽】までは『あるひとつの魂』を追い、【20・審判】と【21・世界】の2枚のみは『世界の終わり』と『世界そのもの』についてのカードではないかと思えてきたのです。『世界の終わり』とは、ひとつのアイオーン・あるいは2千年紀の区切りであるかも知れません。そう考えた時、クロウリーのトートタロットではまさしく【20・審判】に当たるカードが【20・永劫(The Aeon)】となっていることに思い当たりました。
わたし自身は占いにクロウリーのトートタロットも使用しますが、その教義について精通しているとはとても言えません。ただ、ウェイト版のこのカードについてつきつめて考えた時に、トートタロットとの思わぬ繋がりを見出したことで、この新しい考え方がより妥当なものであるように思えてきました。
これらのことは単に、わたし個人が勝手にタロットについて巡らせている思いを書いているにすぎません。見当違いのイメージかも知れませんが、タロットが『あるひとつの魂』と『あらゆる魂』について、唯一無二の自分としての視点と、生命全体からの視点両方から描いていることには、神秘主義の底流に流れる巨きな愛を感じます。
*-*-*-*-*-*-*
さて、このようなモチーフで描かれているカードの性質から考えてみれば、【20・審判】のカードは一種の『最終的な限界』と『次元の転換による突破』を示していると言える気がします。
聖書の世界観では「最後の審判」はイコール『この世の終わり』です。これが本当に最後の最後であり、続きはありません。
【13・死神】のカードはひとつの身体・ひとつの魂の死であり後に転生が待っていますが、『最後の審判』ではあらゆる死者が生き返らせられて最後の裁きを受けます。天国行きか地獄行きか、決定すれば未来永劫そのままです。未来永劫ということはすなわち『時間をなくす』に等しいことです。つまり、ハッピーエンドだろうとバッドエンドだろうと、あらゆる意味で『もう終わり』なのです。
『終わり』に際してわたしたちが出来ることは一体何なのでしょうか。その答えこそが、このカードがわたしたちにもたらしてくれる福音であると思います。みなさんは『終わり』にあたってどのようなことを思い浮かべるでしょうか。
例えば、太陽が爆発し、地球が無くなり、自分が死に、自分以外の人も同じように全員が死んでしまい、後に何も残らないのだとしたら…いや、あらゆるものがすべて無くなってしまっても、物質としては砕け散ってしまったとしても、はじめから何も起こらなかったのと同じ、というようなことは人間の心としては受け入れられない。。それでは今まで生きてきた自分や、あらゆる時代の全人類、全生物の軌跡、栄華、生命、魂、心、愛はどうなるのだ?過去と未来が錯綜する、未知の次元でそれは在り続け、生き続け、循環し続けているのではないだろうか?時空を超えたところに、あらゆる輝きが集まって光り続けている宇宙があるのではないだろうか?
みなさんはどのようにお考えになったでしょう。『本当の終わり』を思い浮かべたとき、次元を超えたもの、物質を超えたもの、永遠の何か、確かな存在、というようなものに心が飛翔したのではないでしょうか。
この【20・審判】のカードがもたらしてくれるのは、このような『精神の飛翔』なのだとわたしは思います。
たとえばある愛の終わり。受け入れたくない、終わりが怖い。しかし…今まであった愛、心に抱いた思いの輝き、確かな存在感、費やした情熱や時間や人生そのもの…これらのものがまったくの無になるわけではないことを、信じることは出来ないでしょうか。結果としては二人の恋のドラマは終わってしまうのかも知れない。けれどもそれは人生に対する悪や破壊ではない。それはむしろ愛が現実のものであったという証明なのです。愛が、物質的なものから、別の次元へと移行したということなのです。終わることでその愛は完全になり、もうそれ以上損なわれることはなくなるのです。
*-*-*-*-*-*-*
このようなことは物質的な現実世界に生きていれば『欺瞞』としか思えないでしょう。喪失は喪失であり、痛みは痛みであり、傷は傷で、それらはわたしたちの心を惨めにします。
しかし愛とはそもそも物質的なものではありません。それは霊的な次元のものであり、永遠の世界に属するものです。ですからもし『終わり』があなたの前に現われたのなら、その知らせを受け取ったのなら…
すみやかに心を永遠の世界に飛翔させれば良いのです。時空を超えた、同時的な宇宙へ。今、それが求められています。ガブリエルは赤い十字の旗と共に現われて、永遠の存在が復活したことを告げています。わたしたち人間がいかに物質に頼って生きていようとも、今は心も愛も、その本来の世界…永遠の次元に預ける時なのです。
それができた時、なくしたと思ったものは全て自分の手に還っていることを知るでしょう。永遠の次元で、大切なものはまったく傷つけられることなく、損なわれることなく輝き続けることを知るでしょう。
その時同時に、現実の、物質の世界にも変化が起こっているのを知ることになります。見た目はどこにも変化がないのに、それでも確かに世界が新しくなっている。吸い込む空気が新しくなっている。わたしたちはそれを『気づき』と呼びます。『気づき』が起こった時、わたしたちは心が自由と力を取り戻したことを知り、救われたのだと感じます。
『精神の飛翔』が成すこと…【20・審判】のカードがもたらしてくれる福音とは、復活と再生とは、このようなものです。物質の世界のみを信じ頼る人にはその知らせは決してやって来ず、福音を受け取ることは出来ないでしょう。
けれどもそのかたくなな心を本来の自由な世界に委ねて、永遠なるものを信じさえすれば『知らせ』はたちどころにやって来ます。復活と再生はありとあらゆる時空に、永遠の何かが信じられている心の上に、いつでも現われるのです。
*-*-*-*-*-*-*
このカードは
永遠が受け入れられるその時、復活する愛、自由になり救われる心
を表していると思います。
コメントはBBSへどうぞ
PR
Comment
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。
管理人のみ閲覧可
管理人のみ閲覧可