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しあわせの青い鳥は、 “今の” あなたのそばにいます




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大阪の占い師 サワツ純子 のタロットブログです。たまに理屈っぽい日常のああだこうだも入っています。
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今回は、4枚の“6”のカードです。

*-*-*-*-*-*-*
ワンドカップ
ソードペンタクル


6】競争で勝利をおさめる。仲間と共に喜び支持される。
聖杯6】穏やかだがみずみずしい感情。幼い頃の思い出。子供に対する気持ち。
6】不都合な現状から穏便に脱出する。脱出を助けてくれる人の存在。逃げるが勝ち。(戦いを避けるための最も良い方法が実現する)
金貨6】収支のバランスがとれる、労力に見合った報酬、人に与える・または受け取る。

*-*-*-*-*-*-*

 6は『美しいバランス』のカードです。

 安定、幸福、勝利…生きている中にはさまざまな価値が存在しますがそれらの中でも『美』は特別に『人間らしい価値』と言えるのではないでしょうか。

 危険ではないこと(安全)、満たされてしあわせなこと、敵に勝って自分が優位を得ることの良さは、虫にでも動物にでも植物にだってあります。
 『美』を理解し、見出し、称える感覚は、ひょっとしたら虫や動物にもあるのかも知れませんが、やはり人間の方がずっとその感性も欲求も能力も高いと思います。

 人間は時に『美』を自分の利益や幸福、安全や命よりも優先させることがあります。生命を維持するためのシンプルな欲求よりも『美』という根源的で精神的な欲求を優先することができるのは人間だけではないでしょうか。

 時に『美』は危険や貧困や醜さの中にさえ見出されます。『美』とは、あらゆる境界を越えあらゆる形であらわれる『愛』と同じように、生命や神や宇宙と“おなじもの”だとわたしは考えています。

*-*-*-*-*-*-*

 タロット小アルカナの6札は各スートのエレメントが“『美しいバランス』をとった状態”を表わしていると考えられます。以下、各スートについて解釈してみます。

ワンド棒6
 ここでは勝利して皆で喜び合いながら凱旋している姿が描かれています。勝利者の頭上とワンドの先には栄光を示す月桂樹の冠を戴いています。彼は【5】の競争で勝利をおさめた者なのでしょう。彼の勝利には仲間の支持と賞賛があります。彼は決して孤独な勝者ではなく、挑戦すべき競争に正々堂々と打ち勝った栄えある勝者なのでしょう。【5】の若者とは対照的です。

 が表わす生命にとって自分が生き残ることは絶対的な善です。しかし同時にできるだけたくさんの生命ができるだけ傷つかずに生き残ることもまた重要です。
 【6】のカードでは“自分”が勝利をおさめ、かつ仲間も元気で勝利を祝っています。さらに張りぼての馬はこの戦いが残酷な殺し合いなどではなく、敗北した敵側の生命もまったく損なわれていないだろうことを示唆しています。これは生命にとって最も喜ばしく美しい状態と言えるでしょう。


カップ聖杯6
 ここでは仲睦まじい二人の子供が描かれています。杯の中では無垢や純粋さを表わす白色の花が生きいきと咲いています(各杯にたったひとつずつ、5つの花びらを持った☆型の花であることも考慮してください)。ここは家々に囲まれた広場で子供らにとって安全な場所であることが分かります。ただその割には緑の描かれ方が何となく単調で貧弱な感じがするのは気のせいでしょうか?どことなく時の流れが希薄な印象もあります。
 年長の子供は年下の子供に白い花の入った杯を差し出しています。年上の者が年下の者をいたわり可愛がる、自然で純粋な気持ちが表れています。

 聖杯のエレメントはです。『水』が最も美しいのはどんな状態でしょう。それは『濁りがなく澄んでいて、豊かに湧き上がり、常に流れがある』状態ではないでしょうか。
 欲望や期待がからんだ愛情感情は力強く豊かではありますが、そこにはやはり濁りがあると言えます。男女の恋愛や親子の愛情でさえ、両者の間には欲望も期待もあり、見返りなしでは済まされません。
 まだ年端もいかぬ子供が何気なく見せる、自分より小さく弱い者に対するいたわりや好意には、不純な動機がありません。それは何の意図も持たぬ本当に純粋な愛の行為です。瞬間瞬間に湧き上がりその場で完結する行動です。何の約束も留保もありません。『はい、どうぞ』と美しい花を側の子供に差し出した子供の心の中を覗いて見れば一体何が見えるでしょう。きっと形あるものは何も見えないのではないでしょうか。そこにはただかすかに温かみの感じられる透明な流れがあるだけでしょう。水・心・愛・感情が最も美しく輝くのは、永遠と瞬間が一体となった時空で、澄んで濁りなく流れている時だと言えるでしょう。


ソード剣6
 ここでは6本の剣を船に乗せ、ひっそりと隠れるようにどこかに去ってゆく人たちの姿が描かれています。彼らは【5】の戦いから自ら退避するところなのでしょう。6本の剣は真っ直ぐに屹立していますから戦うに足る理由も意志もあったのでしょうが、子供を守るために勝つことよりも逃げることを選んだのかも知れません。船頭はきっと彼らを安全に運んでくれるでしょう。船の手前の川面は波立っていますが向こう側は波立っていません。今は心穏やかではないでしょうが、やがてそれもおさまって静かで穏やかな気持ちになれるでしょう。

 が表わす思考が『美しく働く』とはどういうことでしょう。
 思考人間が心地よく、便利に、楽しく生きていくために使われるべきものです。特別な心理的障害がない時、思考は正しく使われ、わたしたちはその恩恵を享受できます。
 しかしある思考(思想と言っても良いでしょう)が他の思考と対立した時、そこに戦いが生まれます。思考はたいてい常に『どちらが正しいか』と考え、その正しさを主張し合います。しかし『究極的に絶対的に正しい考え』などそもそも存在しません。『どちらが正しいか』決着をつけるためのケンカほど不毛なことはないのです。
 対立するものと戦っている時、しかも自分に正しさがあると確信している時、人の思考は戦いから退くことが難しくなってしまいます(これが【5】です)。自分の正しさを証明し、相手に認めさせ、“自分がやはり正しい!勝った!”と得意な気持ちになることを求めずにいられなくなります。そのような“正しさ合戦”に勝っても自尊心を満足させるだけで、むしろ大事なものを失うことの方が多いのに、です。(ここではそれが子供の姿を取っています)
 『負ける』屈辱や不当感を振り捨てて戦いから退くことは最も困難で、しかも最も賢明な選択です。本当に大切なものを守るために『逃げるが勝ち』を選ぶ勇気と精神性こそ、思考の美しい勝利と言えるでしょう。


ペンタクル金貨6
 ここでは裕福そうな商人が貧しい物乞いに施しをしています。商人は左手に天秤を持っています。左手は潜在意識の働きの象徴でもあります。このように物乞いに施しをすることは正しく理に叶った行為だということを、この商人は無意識に知っているのかも知れません。あるいはどれくらいの施しをすれば丁度良いのかを無意識に量っているのかも知れません。
 物乞いは運良く無償の施しを受けることで自分の命をつなぐことが出来ます。本来なら自分で得るべき命の糧を恵んでもらえるなんて、どんなにありがたいことでしょう。この幸運にありつけたことはどんな意味があるのでしょうか。この幸運をどう受け止め、どう生きていくべきなのでしょうか。物乞いたちはこの裕福な商人の中に神をも見たのではないでしょうか。それとも逆に商人がこの物乞いたちの中に神を見るのでしょうか。

 金貨は循環することを好みます。お金の『美しい』循環とはどのような状態でしょうか。
 それは、ある金額のお金が最大限の効果を生む時だと、【金貨6】の絵は物語っているようです。
 商人が物乞いに施した金額はいったいどれくらいなのでしょう。恐らくこの商人にとってはほんのちっぽけな金額に違いありません。それもどうしても必要なお金ではなく余っているお金です。
 それに対し物乞いにとってはどうでしょう。商人にとってはほんのちっぽけなお金でも物乞いたちにとっては“今日の命”をつなぐ千金に値するお金です。『対費用効果』としてこれほど有意義な費やされ方がほかにあるでしょうか。
 またこの施しは、商人が自分の富を肥やす合理的な目的ではなく、純粋な直感的な動機で成されています。この商人はおそらく『今日は貧しい人たちに施しをしてやろう』と思って外出したのではないでしょう。『貧しい人たちに施しをすれば神様からご褒美がもらえるだろう』と考えたわけでもないでしょう(何故なら商人は天秤を左手に持っているからです)。
 最大限の価値を生み出すお金の使い方が、無意識の善意によってなされることは金貨にとってどんなに喜ばしい行為でしょう。施されたお金は商人にとっても、物乞いにとってもキラキラと美しく輝くでしょうし、そのわずかなお金は物乞いの手に渡ったとたん黄金の山ほどの莫大な価値を持ち始めることでしょう。


*-*-*-*-*-*-*

 『5』に対応する図形は五角形、あるいは『☆型』という風に考えました。
 『6』に対応する図形は六角形、あるいは六芒星と考えることが出来ます。六芒星は二つの三角形が山の向きを逆にして重なった形、『△』+『▽』です。

 改めて言うまでもなく、六芒星は神秘学に親しむ者にとって特別な図形です。六芒星は特にユダヤ人民にとって神聖な図形であり、『ダビデの星』という呼び名でイスラエルの国旗の意匠に使用されています。
 六芒星、ユダヤ人、キリスト教とユダヤ人との関わりや歴史、錬金術に関する諸々の知識についてはわたしはそれほど詳しくありませんから省きます。が、この六芒星の形そのものが長い歴史を通して神聖に扱われてきたこと、日本においても魔よけとして使われた例があることなど、とにかくなにやら不思議な力を有している図形のようです。

 ここでわたしが注目したいのは、この『六芒星を巡る不思議な力』はあくまで『人間の精神を媒介とした力』であるということです。六芒星の形そのものが何か次元を超えた力を発揮するのではありません(と、わたしは考えています)。四角形『□』のように物理的に安定をもたらすのでもなく、円や球形のように宇宙の法則に則った完璧な形でもありません。三角形『△』は山や河川の扇状地などで自然に見られますし、物理的に有用に使うことが出来る形状です。しかし六芒星の形が実際に物理的に何らかの作用を及ぼす話はほとんど聞いたことがありません。

 とことんまで突き詰めればどこかで誰かに反証されるかも知れませんが、この『六芒星に込められた神聖さ、神秘の力』は、即ち『人間の精神の力の象徴』なのだと考えます。最初に『美』は特別に『人間らしい価値』だと述べたように、六芒星-ダビデの星は、『人間だからこその力』を示していると思うのです。

 しかしこの『人間精神の力』を象徴する六芒星は、自然的で物理的な『△』が二つ組み合わさった形です。『自然的で物理的な力』が方向を逆にして二つ重なり合うと『人間的な力』になるというのはとても意味深く感じられます。

 『美』も『六芒星』も、物質的でない、精神的な、人間的な価値を示すものです。しかしそれは宇宙において不自然ではないばかりか根源的なものですらあります。言葉足らずで説得力にかける未整理な文章にしかなりませんが、タロットにおける『6』の札がすべてのスートにおいて調和を表わしている深い意味を、いくらかでも伝えられたら良いのに、と強く思います。
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